陸域縞状炭酸塩(鍾乳石、トゥファ)から古環境情報をよむ

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19310011
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 環境動態解析
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 吉村 和久 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80112291)
• 研究分担者: 杉原 真司 九州大学, アイソトープ総合センター, 助教 (10253402) ; 松田 博貴 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80274687) ; 山田 努 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50321972) ; 栗崎 弘輔 九州大学, 大学院・理学研究科, 助教 (70507839)
• 研究協力者: 岡本 透 , 森林総合研究所木曾試験地, 主任研究員 ; 池田 善文 , 美祢市長登銅山文化交流館, 館長 ; 中川 良平 愛知教育大学, 教育学部, 非常勤講師 ; 藤川 将之 , 美祢市秋吉台科学博物館, 学芸員 ; 鮎沢 潤 福岡大学, 理学部・地球圏科学科, 助教 ; 畑江 久美 九州大学, 理学府凝縮系科学専攻, 修士 ; 冨田 麻井 九州大学, 理学府凝縮系科学専攻, 修士 ; 馬淵 しの 東北大学, 大学院・理学研究科地学専攻, 修士 ; 中尾 武史 九州大学, 理学府凝縮系科学専攻, 修士 ; 青木 雅美 九州大学, 理学府凝縮系科学専攻, 修士 ; 真崎 美穂 熊本大学, 理学部・理学科 ; 財津 良太 熊本大学, 熊本大学 ; 園山 幸希 九州大学, 理学部・化学科
• 研究期間 (年度): 2007 – 2009
• キーワード: 鍾乳石 / トゥファ / 古環境情報抽出 / 蛍光年縞 / 植生変遷 / 酸性雨 / 炭素安定同位体比 / 微量成分 / 古文書

研究概要

陸域縞状炭酸塩堆積物(鍾乳石とトゥファ)を用いた環境変遷の記録の読み取りに関して次のような成果が得られた。i)蛍光顕微鏡を用いて年縞を計数する絶対年代決定法を確立した、ii)秋吉台石筍の炭素安定同位体比、微量成分(Mgなど)濃度から植生の変遷を読み取ることができた、iii)平尾台トゥファに存在する^<137>Cs高濃度部分は原爆および大気圏核実験由来であることが分かった。iv)沖縄県西表島において、石筍とリュウキュウマツを用いて酸性降下物量の増加が顕在化した時期を特定できた、v)気温の異なる日本国内の鍾乳洞からの試料を用い酸素同位体比測地質温度計用データの蓄積を行った。

研究成果

• [雑誌論文] Cave wall erosion near the entrance of Akiyoshi-do Cave, Yamaguchi (2009)
  • 著者名/発表者名: K. Yoshimura, M. Fujikawa, M. Ishida, K. Kurisaki, J. Aizawa
  • 雑誌名: J. Speleol. Soc. Jpn. 34 ページ: 38-46
  • 査読あり
• [雑誌論文] Novel dating method for speleothems with microscopic fluorescent annual layers (2008)
  • 著者名/発表者名: K. Kurisaki, K. Yoshimura
  • 雑誌名: Anal. Sci. 24(1) ページ: 93-98
  • 査読あり
• [雑誌論文] 樹木と鍾乳石に刻まれた大気汚染情報を読む (2008)
  • 著者名/発表者名: 吉村和久・栗崎弘輔
  • 雑誌名: 化学 63(9) ページ: 66-67
• [雑誌論文] Kinetics of sulfate desorption from strongly acidic cation-exchange resin (2007)
  • 著者名/発表者名: K. Kurisaki, K. Yoshimura
  • 雑誌名: J. Ion Exchange 18(4) ページ: 158-161
  • 査読あり
• [学会発表] 鍾乳石の炭素・酸素同位体組成に記録された10年規模の周期的な気候変化 (2009)
  • 著者名/発表者名: 山田努・馬淵しの・松田博貴・財津良太・吉村和久・栗崎弘輔・中尾武史
  • 学会等名: 日本地質学会第116年学術大会
  • 発表場所: 岡山理科大学
  • 年月日: 20090904-20090906
• [学会発表] Artificial vegetation change events read from stalagmites, Akiyoshi-dai Plateau, SW Japan (2009)
  • 著者名/発表者名: K. Kurisaki, T. Nakao, K. Yoshimura
  • 学会等名: 19th Joint Seminar of the Busan Branch of KCS and the Kyushu Branch of CSJ
  • 発表場所: Busan, Korea
  • 年月日: 20090529-20090530
• [学会発表] 秋吉台長登の石筍に記録された酸性雨による古植生変化 (2009)
  • 著者名/発表者名: 青木雅美・栗崎弘輔・園山幸希・冨田麻井・藤川将之・池田善文・岡本透・山田努・眞崎美穂・松田博貴・吉村和久
  • 学会等名: 2009年度日本地球化学会年会
  • 発表場所: 広島大学
  • 年月日: 2009-09-15
• [学会発表] 鍾乳石中の微量成分を用いた秋吉台の植生変遷の復元 (2008)
  • 著者名/発表者名: 冨田麻井、栗崎弘輔、藤川将之、天日美薫、吉村和久
  • 学会等名: 日本地球化学会第55回年会
  • 発表場所: 東京大学
  • 年月日: 2008-09-19
• [学会発表] 炭素安定同位体比を用いた秋吉台の植生変遷の復元(九州分析化学ポスター賞) (2008)
  • 著者名/発表者名: 中尾武史・栗崎弘輔・藤川将之・能登征美・吉村和久
  • 学会等名: 第45回化学関連支部合同九州大会
  • 発表場所: 北九州
  • 年月日: 2008-07-05
• [学会発表] 陸域縞状炭酸塩堆積物の新しい絶対年代測定法の確立 (2008)
  • 著者名/発表者名: 栗崎弘輔・中尾武史・吉村和久
  • 学会等名: 第69回分析化学討論会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2008-05-24
• [学会発表] 沖永良部島水連洞の石筍を用いた陸上環境変遷の復元 (2007)
  • 著者名/発表者名: 馬淵しの、山田務、吉村和久、松田博貴、栗崎弘輔
  • 学会等名: 日本地質学会第114年学術大会
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 20070909-20070911
• [学会発表] 植生に関する環境情報として鍾乳石に記録される炭素同位体比(展望とトピックス講演) (2007)
  • 著者名/発表者名: 吉村和久、畑江久美、栗崎弘輔、井倉洋二、高相徳志郎
  • 学会等名: 第68回分析化学討論会
  • 発表場所: 宇都宮大学
  • 年月日: 2007-05-19
• [備考] 吉村和久(取材協力)、ワンダー×ワンダー探検!驚異の結晶洞窟、NHK総合テレビ2009年4月18日(土)
• [備考] 吉村和久(取材協力)、石筍から「酸性雨」、毎日新聞朝刊、2007年5月23日(水)
• [備考] 吉村和久(監修協力)、「水迸り大地起つ」-中国貴州省知られざる絶景-、デジタル衛星ハイビジョン、2007年4月16日(月)
• [備考] ホームページ
  • URL: http://mole.rc.kyushu-u.ac.jp/~kazz/index_j.html