研究概要 |
青森県下北半島に位置する小河原湖において,過去16,000年におよぶ年縞堆積物を採取した.小河原湖への海水進入は少なくとも10,000年前に始まっており,6,000年前の縄文海進最盛期には現在よりも暖かい海水が進入し内湾を形成していた.その後,一旦は淡水化したが,今日の汽水環境は100~200年前以降で起こったものである.6,000年前の暖かな海水は,日本海を経由した対島暖流水が起源と考えられ,この海流の北上は,日本海や北西部北太平洋への塩分の供給を増加させ,北西部北太平洋での中層循環の強化を引き起こした可能性が示唆された.
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