研究課題/領域番号 |
19310020
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
幸島 司郎 京都大学, 野生動物研究センター, 教授 (60183802)
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研究分担者 |
牛田 一成 京都府立大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (50183017)
白岩 孝行 京都大学, 総合地球環境学研究所, 准教授 (90235739)
吉村 義隆 玉川大学, 農学部・生命化学科, 准教授 (90384718)
竹内 望 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (30353452)
藤田 耕史 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (80303593)
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キーワード | 氷河 / 微生物 / アルベド / 氷床 / ネパール / 環境変動 / リモートセンシング / ヒマラヤ |
研究概要 |
微生物活動によるアルベド低下が非常に大きいアジア高山域の「黒い氷河」において、氷河上の微生物活動によるアルベド改変プロセスを理解することを目的に、ネパール、ランタン地方にあるヤラ氷河(標高5,100m-5,500m)において、7月から9月の融解期(モンスーン期)に、標高の異なる地点で氷河表面の汚れと雪氷微生物サンプルを定期的に採取し、クリオコナイトホールなどの表面構造の変化を記録するとともに、氷河上にアルベド計と自動撮影装置を設置してアルベドと氷河表面の構造の連続記録をおこなった。また涵養域での汚れ物質生産過程調査のために、手動ドリルによる表層アイスコア採取をおこなった。(幸島、竹内、牛田、藤田)その結果、ヤラ氷河における汚れ物質の移動や表面構造の変化の様子を初めて長期間記録することに成功した。また、深さ8mまでのアイスコアを採取し、約20年分の積雪と涵養域表面で増殖した微生物と汚れ物質の変化が記録されていることを確認した。さらに、1985年や1991年の調査時に較べて、汚れに含まれる微生物や汚れの反射率が変化していること等が明らかになった。現在、クリオコナイトホールなどの氷河表面構造の形成モデル構築(藤田)やリモートセンシングによる氷河微生物分布分析法の開発(竹内)を進めるとともに、これまで北アルプス立山連峰の季節積雪および雪渓の調査、アラスカ、グリーンランド、中国などの氷河微生物調査で採取したサンプルから、氷河や雪氷のアルベド改変に関わっていると考えられる、雪氷藻類やバクテリア、菌類などの微生物を分離・培養(吉村)し、遺伝子解析(牛田)を進めている。
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