研究課題
これまで氷河生物の未調査域であったパミール山脈の氷河、タジキスタン共和国のフェドチェンコ氷河において、8月の融解期に、氷河上の微生物相と微生物活動によるアルベド改変プロセスに関する調査を行うともに、アルベドと関係する微生物活動の経年変化を明らかにするために、アイスコア採取を試みた(竹内及び大学院生1名)。輸送トラブルのため、アイスコア試料の採取はできなかったが、パミール山脈の氷河微生物に関する貴重な試料を採取することができた。本調査によって、この地域の氷河が「黒い氷河」、つまりヒマラヤと同様に、微生物活動によるアルベド低下が大きい氷河であることが確認された。また、「白い氷河」、つまり微生物活動によるアルベド低下が小さい氷河である、南米チリ・パタゴニア北部氷原のネフ氷河とチリ・湖水地方のモチョ火山氷河において、11月から12月の融解期に、氷河上の汚れサンプルを高度別に採取するとともに、アルベドと氷河表面の構造の分析をおこなった(幸島及び大学院生1名)。その結果、特にネフ氷河では、研究代表者が26年前に採取したサンプルとの比較が可能な、貴重な氷河生物と汚れ物質サンプルを採取することができた。また、モチョ火山氷河では新たな氷河昆虫サンプルも得られた。現在、以上の調査地で採取したサンプルから微生物を分離・培養(吉村)し、遺伝子解析(牛田)を進めるとともに、氷河表面構造の形成プロセス分析(藤田)やリモートセンシングによる分析(竹内)を進めている。今後、本年度の結果を、これまでに調査した黒い氷河(中国、ヒマラヤ、グリーンランド北部)、白い氷河(グリーンランド南部)、ピンクの氷河(アラスカ)の結果と比較しながら、氷河上の微生物活動によるアルベド改変プロセスに関するモデル構築を行う予定である。(幸島、竹内、吉村、藤田、白岩、牛田)
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