研究課題
人為起源2次粒子生成の正確な評価に必要な植物起源VOC(BVOC)フラックスを二次広葉樹林に設置された観測タワーを利用し、わが国では初めて森林に自生したコナラ陽葉と陰葉のイソプレン放出速度をガス交換チャンバ法で季節、時間別に計測した。その結果、放出速度は正午を最大とする変動を示し葉温との高い相関も認められ、G93モデルによる推定が可能であったが、基礎放出速度は諸外国の報告例と大きく異なることが明らかとなった。一方、ヒノキの針葉樹林に設置されたタワーで枝チェンバー法により放出されるモノテルペン種の同定と放出速度を計測し、葉温の高い依存性だけが観測されモデル式を求めた。さらに、こうした放出速度のモデル式と生物多様性センターの植生分布をもとに関西地域におけるBVOCインベントリを構築した。次に、作成したBVOCインベントリと既往の東アジア地域における大気汚染物質インベントリを入力値とする化学輸送モデルを使用し、関西地域におけるオゾン、硫酸塩及び硝酸塩二次粒子の濃度分布を1way-ネスティングにより季節別に計算した。計算値と一般環境大気測定局等のオキシダント1時間値実測データ、過去に計測した硫酸塩及び硝酸塩粒子濃度の1時間測定値とを比較したところ、夏季を除いてオキシダントの日変動パターンは類似したが、二次粒子濃度の現況再現性に問題がみられ、次年度引き続いて検討を行う。アジア国際産業連関表への二次粒子前駆物質の排出量の配分にあたり、わが国と230ヶ国の貿易相手国を対象に日本の401部門産業連関表と諸外国は1国1経済部門からなるGIOモデルを用い、環境負荷としてCO2を取り上げ、各国の経済・環境データの収集・推計を行い経済的および誘発環境負荷の連鎖が高い国を評価抽出した。その際、貿易輸送に伴う船舶、航空機からの負荷量算定モデルを新たに作成した。
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