研究課題
平成20年は、具体的な事例(北京市)について水勘定表を作成すると共に、それらを利用した事例研究を実施する予定であった。さまざまな情報源から北京市におけるデータを収集し、比較検討したところ、多くのデータで相互に整合性に問題があることが判明した。そのため、予定より若干進捗が遅れており、本年度は作成された水勘定表を用いた政策分析にまで至っておらない。当初予定していた水勘定表は、1995年から2005年まで整備する予定であったが、詳細なデータが1990年、1997年、2004年で得られるため、現在の水勘定表はこれらの年次を対象に行っている。特にデータが得やすいのは2004年であるため、政策分析にはもっぱらこのデータを用いることとした。水勘定表はデータの整備に応じて改良を重ねているところである。一方で、データの整備と同時並行で行っている分析の中で本年度に達成した主な成果は、北京市産業連関を用いた財1単位当たりの内包水量の推計や水生産性の変化に関する分析、市民の意識調査から得られるさまざまな質の水の価値調査などである。また、北京市の工業排水や下水道処理に関する基礎的調査も行った。政策分析として来年度計画している水利権取引市場の創設に関しても先行する事例に関して天津市にある海河流域委員会を訪ね、基本的な意見交換、データ収集などを行った。最終年度となる21年度は、これらの情報や開発したモデルを統合的に分析し、政策分析パッケージの提示に向けてとりまとめを行う予定である。
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International Journal of Global EnvironmentalIssues 2009 Vol. 9 No. 1/2
ページ: 4-19
Headwaters to the Ocean, Hydrological Changes and Watershed Management
ページ: 445-449
Headwaters to the Ocean, HydrologicalChanges and Watershed Management
ページ: 451-457
ページ: 483-489