研究課題/領域番号 |
19310028
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
増田 優 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (50359684)
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研究分担者 |
高月 峰夫 お茶の水女子大学, ライフワールド・ウォッチセンター, 非常勤講師 (50397064)
川端 鋭憲 お茶の水女子大学, ライフワールド・ウォッチセンター, アカデミックアシスタント (30447578)
北野 大 明治大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60269397)
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キーワード | 環境政策 / 化学物質総合管理 / 評価指標 / キャパシティビルディング / リスク / 管理の視点 |
研究概要 |
化学物質の総合管理能力を評価することは社会における化学物質の適正な管理を向上させる有益な手法の一つであるとの視点に立って、国内外の動向を考察し問題点の整理を行いつつ、企業・産業セクターおよび政府機関の活動について具体的な評価指標を開発した。その評価指標に基づき現状調査を行い、評価指標の妥当性の検証と企業・産業界および政府機関の実状を明らかにした。 国内外の動向調査については、特にSAICM(国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ、2006年2月第1回国際化学物質管理会議で合意)の国際合意事項の解析を行い、評価指標に取り込んだ。問題点整理の一環としては化学物質の管理に関する法体系の不備について取りまとめ、「化学物質総合管理法」を提案した。 企業・産業セクター用の化学物質総合管理評価指標については2003〜2005年度の科研費研究成果を踏まえて改良した。特にSAICMで要求されている事項を取り入れて国際的に整合性を高めた。具体的には従業員(労働者)、消費者、一般市民、環境保全に対して夫々どう配慮しているかを管理の視点項目として新たに組み入れた。現状調査では244社から回答を得た。総合到達度の平均は50点であったが、同一業種内でのばらつきが大きいこと、活動の状況や実績を評価するパフォーマンス軸の点が相対的に低いことなどが明らかになった。 政府および政府関係機関用の試作的な評価指標を作成し現状調査を試行した。評価指標では企業・産業用の指標と極力共通性を持たせつつ、行政機関としての特性を持たせる項目を加えた。現状調査では8機関から回答を得た。概して所管している法律の規制の範囲内で活動しており、総合的な管理を行っていないことや企業の評価点に比べると低いことなどが明らかになった。
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