研究課題/領域番号 |
19310029
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
鎌田 磨人 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (40304547)
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研究分担者 |
山中 英生 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (20166755)
山城 考 徳島大学, 総合科学部, 准教授 (50380126)
大田 直友 阿南工業高等専門学校, 助教 (00370031)
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キーワード | ニホンジカ / GISデータベース / 分布拡大予測モデル / GPSによる固体追跡 / DNAによる分布拡大過程推定 / 社会システム / 合意形成 |
研究概要 |
1 ニホンジカ分布に係る以下の行政資料を収集し、GISデータベースを構築した。出猟記録(1996〜2005年)、メッシュ別糞塊密度(1997〜2007年)、糞塊密度一覧(2005年)、植林地被害調査(2003〜2005年)、課烏獣被害データ(2002〜2005年)、作物種類別・加害鳥獣別被害状況(2000〜2002年)。このうち、シカの分布を推定するために最も汎用性が高いと思われる出猟記録による目撃資料を用いて、分布拡大推定モデルのプロトタイプを構築した。その結果、分布拡大をある程度の精度をもって推定可能であると考えられた。今後、モデル精度の向上とその利用方法に関する検討が必要である。この間、行政担当者らとの間でGIS-DBやモデルの有用性について意見交換を行った。今後、行政との連携を密にして、構築されたデータベースが施策立案のために用いられるよう働きかけるとともに、施策の実施に係るサポート体制を構築していく。 2 GPSによるニホンジカ移動調査:剣山において11月24日に一頭、上勝町において11月13日〜12月7日に3頭、シカを捕獲し、GPS首輪を装着し、調査を開始した。GPSデータ回収は2008年秋の予定であるが、おおよその位置情報の把握と個体及び機材の状態をチェックするためにテレメトリーによる追跡調査を行っている。2月までは、4個体とも若干積雪を避ける動きを見せながら機材、個体とも異常は見られなかった。 3海部、勝浦、那賀、美馬、三好の5地域において採取されたニホンジカの肉片134サンプルについてDNAの抽出を行い、32サンプルについて、mtDNAのD-loop領域の塩基配列の決定が済んでいる。マイクロサテライトでは作成した8プライマー対のうち、5つのプライマーで目標領域の良好な増幅結果が得られた。糞塊からのDNA抽出も試みており、D-loop領域の増幅は成功している。マイクロサテライトの増幅については現在検討中である。
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