研究概要 |
プロジェクトを基礎付けるために、第1に、この分野の代表的な研究者を招いた3回のワークショップを開催した。第1回(2007年6月25日)は、信州大学経済学部の篠原隆介氏に「離散公共財の供給に関する自発的参加問題について」、大阪大学社会経済研究所の山川敬史氏に「Spiteful,Altruistic or Thoughtless Behavior in Public Good Experiments」と題して、第2回(2007年10月19日)は、九州大学大学院経済学研究院の藤田敏之氏に「越境汚染に関するマッチング協定の有効性」と題して、慶應義塾大学経済学部の中山幹夫氏に「バッズの純粋交換ゲームにおける非協力および協力均衡について」と題して、第3回(2007年12月10日)は、広島修道大学経済科学部の草川孝夫氏に「GHG排出権取引実験:責任制度の役割」と題して、早稲田大学政治経済学術院の栗山浩一氏に「表明選好法と実験経済学」と題して、それぞれ開催した。いずれも、この分野の研究を集約的に発表する機会として有意義なものになった。 第2に、共有資源投資に関する経済実験を2007年7月10日と2007年12月17日に実施した。特に、他者がどのような投資態度をとるか、強調的な投資態度をとる仮想ではないか、という予想形成が、共有資源への投資態度にどの容易な影響を与えるのかという点について焦点を当てた実験を実施した。このてんは、環境意識の形成過程の分析において、重要な情報を与えるものである。 研究成果に示している共同研究者の研究成果も含めれば、全体として、第2年目の研究に対する有効な基礎付けを行うことができたものと判断する。
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