放射線誘発クロマチン損傷シグナル増幅におけるMDC1/53BP1の役割

2008 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19310038
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 放射線・化学物質影響科学
• 研究機関: 長崎大学
• 研究代表者: 鈴木 啓司 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (00196809)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2008
• キーワード: 放射線作用機構

研究概要

放射線の被ばくは様々な影響を成体に及ぼすが、生命の基本単位である細胞は、遺伝子の本体であるDNAが放射線のエネルギーを吸収しておこる二重鎖切断を認識し、それに応答するシステムを有している。本研究は、そのDNA損傷シグナルが、DNAを含んだゲノムを基本構造であるクロマチンを構成する基本単位であるヌクレオソームの構成要素の1つのヒストンH2AXのリン酸化を基点としたMDC1/53BP1複合体の形成とリン酸化の連鎖反応が、DNA損傷シグナルの増幅に必須であることを突き止めた。

研究成果

• [雑誌論文] Growth of persistent foci of DNA damage checkpoint factors is essential for amplification of G1 checkpoint signaling (2008)
  • 著者名/発表者名: Yamauchi M, Oka Y, Yamamoto M, Niimura K, Uchida M, Kodama S, Watanabe M, Sekine I, Yamashita S, Suzuki K
  • 雑誌名: DNA repair 7(3) ページ: 405-417
  • 査読あり
• [雑誌論文] Current topics in DNA double-strand break repair (2008)
  • 著者名/発表者名: Kobayashi J, Iwabuchi K, Miyagawa K, Sonoda E, Suzuki K, Takata M, Tauchi H
  • 雑誌名: J Radiat Res 49(2) ページ: 93-103
  • 査読あり
• [雑誌論文] Alteration of p53-binding protein 1 expression during skin carcinogenesis: association with genomic instaibility (2008)
  • 著者名/発表者名: Naruke Y, Nakashima M, Suzuki K, Matsuu-Matsuyama M, Shichijo K, Kondo H, Sekine I
  • 雑誌名: Cancer Sci 99(5) ページ: 946-951
  • 査読あり
• [雑誌論文] Foci formation of p53-binding protein 1 in thyroid tumors : activation of genomic instaibility during thyroid carcinogenesis (2008)
  • 著者名/発表者名: Nakashima M, Suzuki K, Meirmanov S, Naruke Y, Matsuu-Matsuyama M, Shichijo K, Saenko V, Kondo H, Hayashi T, Ito M, Yamashita S, Sekine I
  • 雑誌名: Int J Cancer 122(5) ページ: 1082-1088
  • 査読あり
• [雑誌論文] p53 status-dependent sensitization of human tumor cells to hyperthermia by plant flavonol (2008)
  • 著者名/発表者名: Hamamoto T, Suzuki K, Yamauchi M, Kodama S, Sasaki H, Watanabe M
  • 雑誌名: Int J Hyperthermia 24(5) ページ: 415-424
  • 査読あり
• [雑誌論文] Reciprocal paracrine interactions between normal human epithelial cells and mesenchymal cells protect cellular DNA from radiation-induced damage (2008)
  • 著者名/発表者名: Nakazawa Y, Saenko V, Rogounovitch T, Suzuki K, Mitsutake N, Matsuse M, Yamashita S
  • 雑誌名: Int J Radiat Oncol Biol Phys 71(2) ページ: 56-577
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effective suppression of bystander effects by DMSO treatment of irradiated CHO cells (2007)
  • 著者名/発表者名: Kashino G, Prise KM, Suzuki K, Matsuda N, Kodama S, Suzuki M, Nagata K, Kinashi Y, Masunaga S, Ono K, Watanabe M
  • 雑誌名: J Radiat Res 48(4) ページ: 327-333
  • 査読あり
• [雑誌論文] Correlation of malignant phenotypes of human tumour cell lines with augmented expression of Hsp72 protein measured by laser scanning cytometry (2007)
  • 著者名/発表者名: Hamamoto T, Suzuki K, Kodama S, Sasaki H, Abe K, Hayashi T, Watanabe M
  • 雑誌名: Int J Hyperthermia 23(4) ページ: 363-370
  • 査読あり
• [雑誌論文] Transmission of genomic instability from a single irradiated human chromosome to the progeny of unirradiated cells (2007)
  • 著者名/発表者名: Mukaida N, Kodama S, Suzuki K, Oshimura M, Watanabe M
  • 雑誌名: Radiat Res 167(6) ページ: 675-681
  • 査読あり
• [雑誌論文] Increased chromosome instability and accumulation of DNA double-strand breaks in Werner syndrome cells (2007)
  • 著者名/発表者名: Ariyoshi K, Suzuki K, Goto M, Watanabe M, Kodama S
  • 雑誌名: J Radiat Res 48(3) ページ: 219-231
  • 査読あり
• [雑誌論文] Radiation induced bystander signals are independent of DNA damage and DNA repair capacity of the irradiated cells (2007)
  • 著者名/発表者名: Kashino G, Suzuki K, Matsuda N, Kodama S, Ono K, Watanabe M, Prise KM
  • 雑誌名: Mutat Res 619(1-2) ページ: 134-138
  • 査読あり
• [学会発表] 放射線誘発ゲノム欠失によるクロマチン高次構造変化と不安定性 (2008)
  • 著者名/発表者名: 鈴木啓司、岡泰由、山内基弘
  • 学会等名: 第31回日本分子生物学会大会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 20081209-12
• [学会発表] DNA二重鎖切断誘発クロマチン高次構造異常によるATM分子活性化機構 (2008)
  • 著者名/発表者名: 鈴木啓司、岡泰由、鈴木正敏、山内基弘
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第51回大会
  • 発表場所: 北九州
  • 年月日: 20081119-21
• [学会発表] Living Cell ImagingによるDNA損傷応答のダイナミクス解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 鈴木啓司
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第51回大会
  • 発表場所: 北九州
  • 年月日: 20081119-21
• [学会発表] DNA損傷チェックポイントの生物学的意義 (2008)
  • 著者名/発表者名: 山内基弘、鈴木啓司、山下俊一
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第51回大会
  • 発表場所: 北九州
  • 年月日: 20081119-21
• [学会発表] DNA二重鎖切断修復の切断末端構造依存性 (2008)
  • 著者名/発表者名: 高橋麻衣子、鈴木啓司、山下俊一、甲斐雅亮
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第51回大会
  • 発表場所: 北九州
  • 年月日: 20081119-21
• [学会発表] 放射線照射後のG2/Mチェックポイント誘導に関与するDNA損傷シグナルの定量的解析 (2008)
  • 著者名/発表者名: 石川彩、山内基弘、鈴木啓司
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第51回大会
  • 発表場所: 北九州
  • 年月日: 20081119-21
• [学会発表] 放射線照射後のG1チェックポイント維持機構の解明 (2008)
  • 著者名/発表者名: 早田知永、岡泰由、山内基弘、鈴木啓司
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第51回大会
  • 発表場所: 北九州
  • 年月日: 20081119-21
• [学会発表] 放射線照射正常ヒト細胞における遅延的ストレスの増加へのミトコンドリアの関与 (2008)
  • 著者名/発表者名: 小橋川新子、鈴木啓司、山下俊一
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第51回大会
  • 発表場所: 北九州
  • 年月日: 20081119-21
• [学会発表] 原爆被爆者皮膚組織ではゲノム不安定性が亢進している (2008)
  • 著者名/発表者名: 成毛有紀、中島正洋、鈴木啓司、近藤久義、松山睦美、七條和子、関根一郎
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第51回大会
  • 発表場所: 北九州
  • 年月日: 20081119-21
• [学会発表] 低線量放射線の併用によるがん細胞の温熱致死選択的増強 (2008)
  • 著者名/発表者名: 渡邉正己、渡邉喜美子、吉居華子、菓子野元郎、田野恵三、鈴木啓司
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第51回大会
  • 発表場所: 北九州
  • 年月日: 20081119-21
• [学会発表] DNA損傷チェックポイント増幅と相同組換え修復との共役 (2008)
  • 著者名/発表者名: 鈴木啓司、山内基弘
  • 学会等名: 第67回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 20081028-30
• [学会発表] DNA二重鎖切断と共役したDNA損傷チェックポイントシグナルの増幅 (2007)
  • 著者名/発表者名: 鈴木啓司、山内基弘、児玉靖司、渡邉正己
  • 学会等名: 第30回日本分子生物学会年会/第80回日本生化学会大会合同大会(BMB2007)
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20071211-15
• [学会発表] 放射線誘発mitotic catastropheによる細胞死の分子メカニズム (2007)
  • 著者名/発表者名: 鈴木啓司、山内基弘、児玉靖司、渡邉正己
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第50回大会
  • 発表場所: 千葉
  • 年月日: 20071114-17
• [学会発表] RAD51フォーカスとATM経路活性化 (2007)
  • 著者名/発表者名: 鈴木啓司、山内基弘
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第50回大会
  • 発表場所: 千葉
  • 年月日: 20071114-17
• [学会発表] 放射線発がん初期過程のジェネティクスとエピジェネティクス (2007)
  • 著者名/発表者名: 鈴木啓司、児玉靖司、渡邉正己
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第50回大会
  • 発表場所: 千葉
  • 年月日: 20071114-17
• [学会発表] ヒト癌細胞におけるDNA損傷チェックポイント異常とmitotic catastropheの誘導 (2007)
  • 著者名/発表者名: 鈴木啓司、山内基弘、児玉靖司、渡邉正己
  • 学会等名: 第66回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20071003-05
• [学会発表] DNA損傷応答因子のフォーカス成長によるG1チェックポイントシグナルの増幅 (2007)
  • 著者名/発表者名: 山内基弘、児玉靖司、渡邉正己、鈴木啓司
  • 学会等名: 第66回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20071003-05
• [学会発表] 四倍体化ではなく異数体化がp53ノックアウトマウス細胞における腫瘍性を促進する (2007)
  • 著者名/発表者名: 渡邉正己、吉居華子、鈴木啓司、大津山彰
  • 学会等名: 第66回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20071003-05
• [学会発表] 放射線誘発バイスタンダー効果におけるDNA二重鎖切断修復機構の関与 (2007)
  • 著者名/発表者名: 菓子野元郎、鈴木啓司、鈴木実、増永慎一郎、小野公二、渡邉正己
  • 学会等名: 第66回日本癌学会学術総会、
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20071003-05
• [学会発表] 腎細胞癌におけるHOXB13癌抑制遺伝子の転写標的の同定 (2007)
  • 著者名/発表者名: 奥田平和、齋藤史路、降幡睦夫、鈴木啓司、執印太郎
  • 学会等名: 第66回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20071003-05