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2009 年度 実績報告書

アルデヒド脱水素酵素が生体内酸化ストレスに及ぼす影響評価

研究課題

研究課題/領域番号 19310043
研究機関国立保健医療科学院

研究代表者

欅田 尚樹  国立保健医療科学院, 生活環境部, 部長 (90178020)

研究分担者 吉田 安宏  産業医科大学, 医学部, 准教授 (10309958)
川本 俊弘  産業医科大学, 医学部, 教授 (60177748)
キーワードアルデヒド脱水素酵素 / 酸化ストレス / ヘモグロビン付加体 / Aldh2ノックアウトマウス / アセトアルデヒド / ミトコンドリアDNA / 体細胞突然変異
研究概要

アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)は主にアルコール代謝に関与する酵素として広く認識されている。
日本人の約半数にはALDH2遺伝子多型変異によるALDH2活性の欠損のため、飲酒による気分不良を訴える人がおり、さらに飲酒による発がんリスクが高まる可能性が報告されている。このようにALDH2活性は、主に飲酒の生体影響を評価する上で問題視されてきたが、ヒト以外のお酒を飲まない生物にもこの酵素は幅広く分布しており、生体内においてはアルデヒドの解毒以外にも、本来の役割として何らかの作用、たとえば生体内酸化ストレス応答などに関連することが推察できる。そこで、われわれが作成したAldh2ノックアウトマウスを用いて、アルデヒド曝露時、あるいは無処理時の影響を評価した。その結果、アルデヒド曝露時において体細胞突然変異頻度(T細胞受容体(TCR)遺伝子突然変異)、in vivoにおける染色体異常誘発頻度を観察する網状赤血球小核頻度、およびアセトアルデヒド・ヘモグロビン付加体測定においてAldh2(+/+)野生型マウスに比し、Aldh2(-/-)ホモノックアウトマウスにおいていずれも有意な高値を認めた。以上よりALDH2酵素活性欠損者における飲酒による発がんリスクの増加が示唆された。また無処置状態においてもAldh2ノックアウトマウスにおいては野生型マウスに比べ尿中8-OHdGレベルが増加しており、さらに小核頻度およびTCR突然変異頻度においても野生型マウスに比べ高値を示していた。これらのことはノックアウトマウスにおいては何らかの内因性の酸化ストレスの増加が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Strain Differences Influence N-Methyl-D-Aspartate Receptor Subunit Gene Expression in the Olfactory Bulb of an Allergic Mouse Model following Toluene Exposure2010

    • 著者名/発表者名
      Win-Shwe TT
    • 雑誌名

      Neuroimmunomodulation 17(5)

      ページ: 340-347

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characteristics of aldehyde dehydrogenase 2(Aldh2)knockout mice2009

    • 著者名/発表者名
      Yu HS
    • 雑誌名

      Toxicol Mech Methods 19(9)

      ページ: 535-540

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Suppression of Th1-and Th2-type immune responses in infant mouse spleen after prenatal and postnatal exposure to low-level toluene and peptidoglycan2009

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto S
    • 雑誌名

      Inhal Toxicol. 21(9)

      ページ: 793-802

    • 査読あり
  • [学会発表] マウス系統差で探るトルエン曝露に対する免疫系感受性要因2009

    • 著者名/発表者名
      欅田尚樹, Tin Tin Win Shwe, 山元昭二, 吉田安宏, 嵐谷奎一, 藤巻秀和
    • 学会等名
      第50回大気環境学会年会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      20090916-20060918
  • [学会発表] アセトアルデヒド吸入曝露によるアルデヒド脱水素酵素2ノックアウトマウスの臓器内DNA アダクト2009

    • 著者名/発表者名
      小山倫浩
    • 学会等名
      第82回日本産業衛生学会
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      20090520-20090522

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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