研究課題/領域番号 |
19310044
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大塚 康夫 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20091663)
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研究分担者 |
坪内 直人 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90333898)
橋本 裕之 東北大学, 多元物質科学研究所, 技術専門職 (80375170)
菊地 毅光 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (30169825)
山田 哲夫 北見工業大学, 工学部, 准教授 (40091558)
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キーワード | 環境技術 / 環境負荷低減 |
研究概要 |
(1)安価な触媒を用いるバイオマスのガス化:0.5mm程度のカラマツ間伐材おがくずを用い、石灰水(Ca(OH)_2水スラリー)と混合したところ、Ca^<2+>がイオン交換担持され、常圧のCO_2ガス化と高圧のH_2Oガス化で触媒効果を発揮し、さらに、石灰水の代わりに褐鉄鉱(α-FeOOHが主成分)とおがくずを物理混合した場合にも、褐鉄鉱はH_2Oガス化を促進した。反応後のXRD測定結果より、CaCO_3とFe_3O_4が触媒作用を示していることが明らかとなった。 (2)生成ガスの改質と精製:おがくずの熱分解で発生したタールもしくはモデル化合物のベンゼンを上述の褐鉄鉱上に通したところ、これらは600℃程度でガスと炭素に転化し、生成ガスの模擬ガス(H_2/CO/CO_2/H_2O)中の2000ppmNH_3は、750℃の褐鉄鉱上でほぼ完全にN_2とH_2に分解された。いずれの場合も、褐鉄鉱中のα-FeOOHより生成した鉄ナノ微粒子が、タールの改質とNH_3の分解に対し高い触媒機能を持つものと結論された。 (3)メソポーラスシリカ担持触媒によるFT合成:Al源としてAlCl_3水和物を使用し、SBA-15の調製と同時にAlイオンを導入する方法を用いると、従来法より短時間でAl/Si比が0.05-0.1のAl-SBA-15が合成され、Alイオンの大部分はSiO_2骨格内の6配位Alで存在することが、固体NMRで明らかとなった。この担体にCo^<2+>をincipientwetness法で担持し、230℃、2.0MPaでFT合成を行ったところ、CO転化率40%、C_<10>-C_<20>選択率30%となり、これまでのCo/Al-SBA-15触媒の性能を上回り、新規なAl-SBA-15担体を用いるFT合成触媒が開発された。
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