研究概要 |
本研究では,中国南部の酸性雨被害地域やヴェトナムへの適用を考え,民生用低品位石炭燃焼時の汚染物質と温暖化ガスを排出抑制するため,発展途上国農村地域での室内汚染対策,温暖化ガス排出抑制に効果的なゼロエミッションサイクルを構築するため,低品位石炭,農林業廃棄バイオマス,硫黄固定剤からなる民生用クリーン燃料,バイオブリケット(BB)の改良、評価,技術移転や普及策を検討する。 平成19年度は新規BBの調製・評価,栄養塩の評価・有機堆肥の探索,バイオディーゼル燃料(BDF)の排ガス特性評価など,以下の具体的項目について研究した。(1)技術移転想定地域の民生燃料ならびに環境情報の収集整理:現地の正確な情報に基づいた技術移転、普及に備えるため,海外研究協力者等の協力を得て,民生燃料・室内汚染や大気環境,バイオマス廃棄物に関する情報を収集した。(2)改良・新規バイオブリケットの調製・評価:枯渇性資源である低品位石炭と循環性資源である富栄養化原因物質(N,P)高吸収水生植物をバイオマス廃棄物として,SO_2固定剤を添加,加圧成型して新規BBを調製し,その特性を評価した。中国重慶の農村地域一般家庭で,石炭やBBの利用による室内汚染レベルの評価を行った。(2)栄養塩組成の評価・有機堆肥の探索/燃焼灰による酸性土壌の改良:燃焼灰添加による酸性土壌中和効果を確認し,酸性土壌にBB燃焼灰と窒素分を補うための家畜堆肥の同時施肥による植物生長実験における同時施肥の効果を検討した。(2)BDF排ガス特性の評価:BDF利用時の環境負荷の予測をおこなうため,ディーゼル発電機による排ガス特性,特に超微小粒子・微小粒子の発生状況と粒子組成を測定した。
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