研究課題/領域番号 |
19310051
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
関野 徹 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (20226658)
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研究分担者 |
楠瀬 尚史 大阪大学, 産業科学研究所, 助授 (60314423)
清野 智史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (90432517)
中山 忠親 長岡技術科学大学, 極限エネルギー密度工学研究センター, 助教 (10324849)
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キーワード | 酸化物ナノチューブ / 環境材料 / 吸着挙動 / 光触媒 / 低次元ナノ複合化 / ドーピング / 高次機能 / 化学合成 |
研究概要 |
高性能環境浄化触媒システムやエネルギー創製システムみなどへ最適化した材料創製を目的に、低次元ナノ構造を持つ酸化チタンナノチューブ(TiO_2 NT、 TNT)に関して光触媒機能やその特異構造由来の分子吸着能などの機能を精査すると共に、構造を結晶及びナノレベルで設計・制御・複合化して高次機能化を行った。本年度はTNTの合成プロセス開発ならびに材料創製と基礎物性に関する研究(材料創製フェーズ)を集中的に行い、以下の成果を得た。 メチレンブルー(MB)退色法を用いてTNTの触媒能を評価した結果、本材料が光触媒特性に加えて優れた分子吸着能を持つ高次機能調和型ナノ材料であることを見出した。この等温吸着挙動を解析しLangmuir型に良く従うことや高い飽和吸着量を示すことを明らかとした。光触媒特性は加熱処理による結晶性の向上に従って向上し、両者の特性は熱処理によりトレードオフ関係にあることを見出した。更にドープ型TNTを合成し、これにより特性が向上することを確認した。一方でアセトアルデヒド分解挙動の解析により、本TNTが気相中でもガス吸着能と光触媒特性を示すことを見出した。こうしたTNTの高次機能は、特徴的なナノ構造と格子レベル構造に由来することをX線回折法や電子顕微鏡観察などの結果と合わせて考察した。更に、合成したTNTに化学的あるいは物理的プロセスの適用と制御により、Pd, Ag, Ni等の金属ナノ粒子や化合物をTNT表面やチューブ内部に析出担持させることに成功した。
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