研究課題/領域番号 |
19310053
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
田中 秀雄 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60032950)
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研究分担者 |
黒星 学 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (30242316)
光藤 耕一 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (40379714)
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キーワード | 有機電解合成 / 固体粒子分散-水系 / 環境負荷0合成プロセス / ナノエマルジョン / 水系メディエーター / クローズド合成システム / 電解ワッカー反応 / ハロゲン化アリールの電解還元 |
研究概要 |
環境負荷0合成プロセス開発の鍵となる固体粒子分散-水系電解に必要な、メディエーターを固定化した分散相、及び水系で機能するメイディエーターの調製とこれらを用いる二三の分散-水系電解等の基礎研究を行った。また、次年度以降に計画しているフロー型電解装置の設計指針を掴むために必要な予備的な実験を行った。 ・分散相の調整については、シリカゲル、ポリマー粒子、活性炭(粉末・布)にN-オキシル誘導体や、ワッカー反応やハロゲン化アリールの還元二量化などを想定して、パラジウム触媒を担持することについて検討。特に、活性炭に担持されたパラジウム触媒の活性と安定性、さらには、基質の吸着・脱着について検討を行った。また、ビオロゲンを固定化したポリエチレングリコールを調製し、これを分散相とするハロゲン化アリールの還元二量化についても研究を進めた。 ・水系メディエーターの設計と合成については、親水性基として、スルホン酸や第4級アンモニウムを有する水溶性N-オキシル誘導体を調製し、これをメディエーターとするアルコールの水系電解酸化について検討を行った。これらの幾つかは、比較的安定なエマルジョンが生成することがわかった。糖やポリエチレングリコール類の水系電解酸化では、ナノエマルジョンの生成を示唆する結果が得られており、効率的な酸化が起こることを見出した。 ・フロー型電解装置に関する予備実験として、陰極板/活性炭/セパレーター/陽極版の順に積層したフローセルを作製し、これを用いて活性炭に吸着したハロゲン化アリールの電解還元・脱ハロゲン化を行い、水系電解液をフローセル中に流すことにより効率よく反応が進行することを見出した。
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