研究概要 |
本研究では、アルミニウム合金中に鉄などの不純物が大量に入ったスクラップの利用を目指し、Al-Si合金中に鉄が加わることで生成する金属間化合物を調べるとともに、この金属間化合物について凝固時に超音波振動を付加して、形状を制御することを目的とした。超音波などのエネルギーを与えることにより、針状成長する組織を塊状組織にするなどの凝固組織制御を行い、強度低下を引き起こす相を耐熱性などの特性向上因子として利用する。 不純物含有アルミニウムスクラップの連続鋳造実験では、実験用小型連続鋳造機を試作した。この試作機で代表的な鋳造合金であるAl-Si合金を用いて超音波付加連続鋳造のための基礎データ収集実験を行った.連続鋳造鋳塊は組織制御が不完全のため,溶湯温度、引き下げ速度や金型形状についてさらに検討した.また,超音波付加連続鋳造として,新たに傾斜する超音波振動ホーン上を凝固過程の溶湯を流下させることで,初晶が晶出する液相線を通過時の超音波振動付加で微細組織材の創製に成功した. アルミニウム合金中に鉄などの不純物が大量に入ったスクラップの粉末化は,溶湯の粘性や過熱度の設定の問題から作製が難しい.そのためアトマイズガスジェットへ溶湯を供給するノズルの設計変更をして平均粒径50μmの粉末の創製に成功した.
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