研究課題/領域番号 |
19310063
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
名嘉 節 独立行政法人物質・材料研究機構, 材料ラボ, 主席研究員 (30344089)
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研究分担者 |
中根 茂行 独立行政法人物質・材料研究機構, 超伝導材料研究センター, 主任研究員 (40354302)
大沼 繁弘 独立行政法人物質・材料研究機構, (財)電気磁気材料研究所, 主任研究員 (50142633)
南 公隆 国立大学法人東北大学, 原子分子材料高等研究機構, 助教 (80415794)
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キーワード | 超臨界水熱 / ナノ結晶 / 酸化物 / サイズ効果 |
研究概要 |
鉄およびコバルトを含む酸化物ナノ結晶の水熱合成に取り組み、大きさが数百から数十ナノメートルの結晶を合成した。反応場であるい水の臨界点の近傍で、各種の表面修飾分子を導入し酸化度、結晶相、結晶形態(morphology)をコントロールすることができた。 コバルト酸化物ナノ結晶では、酢酸系炭素鎖やアミン系炭素鎖分子の分子長を変えて、合成されたナノ結晶の結晶相を同定し、X線回折より酸化度(結晶相の比率)、各結晶相の格子定数を見積もった。導入する表面修飾分子の特性(分子長など)と相関があることが認められた。このようにサイズ・結晶形態を制御したコバルト(Co304)ナノ結晶の磁気特性はバルクのそれと比べ、大きな磁気モーメントおよび複雑な磁気秩序状態が実現していることを明らかにした。 また、スピネル型のような三元化合物に関する構造解析では、バルクとは異なる結晶構造(イオン配置)が認められ、それを反映した磁性が観測されている。一般にイオン配置のコントロールは困難と思われていたが、この特性は、酸化物結晶の特性を大きく変えることができることを示唆している。事実、合成された結晶は鮮やかな青から深い緑色に変化させることが出来ており、顔料等の新しい製造技術にもつながる可能性がある。 セリアナノ粒子では、in-situ表面修飾によりCeイオンの価数が4価から3価に転移する現象をはじめて明らかにした。第一原理計算により有機物イオンの結合が結晶面や価数により異なり、morphology転移と価数転移が密接に関連していることを明らかにした。
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