研究課題/領域番号 |
19310072
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大野 裕 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (80243129)
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研究分担者 |
河野 日出夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00273574)
米永 一郎 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20134041)
太子 敏則 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (90397307)
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キーワード | 透過電子顕微鏡 / 局在近接場分光法 / ナノ構造体 / ラマン散乱 / フォトルミネセンス |
研究概要 |
任意機能を持つナノ構造体を設計・形成するには、1)機能の起源、2)機能の発現機構、および3)ナノ構造体の形成機構、を解明する必要があります。その解明に必要な、個々のナノ構造体の形状・構造・組成と形成過程の評価およびそのナノ構造体の物理的特性などの直接的評価を目指して、透過電子顕微鏡内での局在近接場分光装置の開発を進めました。平成19年度の主な成果は、近接場光形成用の探針の製作です。In-situプロービングホルダー(購入備品・NanoFactory社)および透過電子顕微鏡内その場分光測定装置(現有備品・東北大学)を利用し、透過電子顕微鏡内の試料上の任意位置で、先鋭化させた(曲率半径数100nm以下)金属探針と試料を任意距離(数nmオーダー)に固定して、その状態で顕微鏡の外部から光照射できるようにしました。その結果、はじめて、透過電子顕微鏡観察下で顕微鏡観察領域近傍に局在近接場光が形成できるようになりました。また、その場分光測定装置の集光系に改良を加え、これまでより微弱な信号光でも分光測定できるようにしました。まだ局在近接場分光測定は実現していませんが、探針の材質・形状の最適化、測定装置の光学系の改良などにより高輝度の近接場光を形成できれば、これまでは不可能であった、透過電子顕微鏡で得られる結晶学的な情報と近接場分光測定より得られる電子論的な情報の相関を直接的に評価できるようになります。
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