研究概要 |
MEMSに大きさが数ミクロンからサブミクロンの機能部品をシーケンシャルアセンブリする次世代のMEMS/MS構築のための大きなブレークスルー技術となる技術の実現を最終目標に,本研究では液相でナノ部品に対して基本オペレーションを円滑にかつシームレスに統合するナノシステム統合工学(SENS: Synthetic Engineering for Nano System)の基礎技術構築を目指す.今年度は,セルフアセンブルプロセスモデリングとして,接触電位を用いたフェースアライメント実験における,振動振幅,振動周波数,コンポーネント表面金属,コンポーネントサイズ,コンポーネント密度,サイトサイズ,サイト密度などのプロセスパラメータとアセンブル時間およびアセンブル収率との関係を予測するプロセスモデリングを行い,モデリングから予測された最適な摂動条件の存在を実験で確認することに成功した.これにより,本モデリング手法の有用性が確認されたので,次ステップとして,DNAを用いたμスケールコンポーネントのセルフアセンブルプロセスのモデリングに取り組んでいる.また,昨年度に引き続いて,DNAのインテリジェント接着剤としての機能に着目した温度場によって特定の部品間の接着力の発現を制御する機能発現時期制御技術の構築に取り組み;3μmX3μmX2μmのチップと基板とのシーケンシャル・セルフ・アセンブリには成功した.相補的シングルストランドDNAを表面に固定化したμコンポーネントと基板のアセンブル,および側鎖にDNAを有するグラフトポリマーをスペーサーとして利用したシーケンシャル・セルフ・アセンブリを試み,いずれの場合においても,溶液温度によって接着力の発現が制御可能で有りかつ特定の相手にのみ結合する特異性を示すことを確認した.
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