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2008 年度 実績報告書

統合管理のためのリスク・モデリングとシミュレーション手法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19310095
研究機関東京大学

研究代表者

藤井 眞理子  東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90323550)

キーワードファイナンス / リスク管理 / 最適化 / シミュレーション
研究概要

平成20年度においては、企業価値判別を格付で行うモデルを改善したほか、金利モデルについては、マクロ経済予測を行うモデルを推定し、金利とマクロ経済の関係に関する知見を得た。信用リスクについては、2007年からの金融危機でも大きな問題となった債務担保証券(CDO)を対象にリスク管理上重要なテイルリスクや極値が生じるメカニズムを分析するなど、金融リスク管理に関する基礎的研究をさらに進めた。また、シミュレーションのための要素技術の開発を進めた。
第1に、企業価値判別については、SVMを用いて公開企業の格付を対象に一定の判別精度を達成するモデルを構築し、民間関係者との意見交換も踏まえ、モデルを改善した。この研究に基づき、非上場企業の倒産判別について、予備的なデータの整理を行うとともに倒産確率推定につなげるためのフレームワークに関する考察を進めた。
第2に、市場リスクの解析に関しては、19年度の研究を発展させ、金利の期間構造からマクロ経済を予測する分析を行った。この結果、金利の期間構造には12〜24か月先のマクロ経済変数に関する情報が含まれていることなどが見出された。
第3に、信用リスクと金利リスクの関係については、金融危機の発生による事態の変化があり、最近時でのデータによる定常的な分析が難しい状況にあるため方法論の見直しを検討している。他方、信用リスクについては、債務担保証券(CDO)を対象に個別リスクとシステマティックリスクを区別したモデルを設定し、リスク管理上重要なテイルリスクや極値が生じるメカニズムをシミュレーション等により分析し、論文発表した。
第4に、シミュレーションのための要素技術の開発については、Haselgrove多次元数値積分法の改良、高速特異値計算法、大規模スパース線形方程式系の数値解法の開発を行った。後者2つについては論文発表した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] An extension of the conjugate residual method to nonsymmetric linear systems2009

    • 著者名/発表者名
      T. Sogabe, M. Sugihara, S.-L. Zhang
    • 雑誌名

      Journal of Computational and Applied Mathematics 226

      ページ: 103-113

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 証券化と金融危機-ABSCDOのリスク特性とその評価2009

    • 著者名/発表者名
      藤井眞理子,竹本遼太
    • 雑誌名

      FSAリサーチ・レビュー (第5号)

      ページ: 215-245

    • 査読あり
  • [雑誌論文] On Convergence of the dqds Algorithm for Singular Value Computation2008

    • 著者名/発表者名
      K. Aishima, T. Matsuo, K. Murota, and M. Sugihara
    • 雑誌名

      SIAM Journal on Matrix Analysis and Applications Vol. 30

      ページ: 522-537

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 特異値計算アルゴリズムdqds法の理論保証付き超2次収束シフト戦略

    • 著者名/発表者名
      相島健助,松尾宇泰,室田一雄,杉原正顯
    • 雑誌名

      日本応用数学会論文誌 Vol. 18

      ページ: 285-302

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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