研究概要 |
本研究の主目的は超大規模な半正定値計画問題(SDP)に挑戦することにあり,今年度に目標としてあげたのは (A) 疎で大規模な半正定値計画問題に対するアルゴリズム,並列アルゴリズムおよびソフトウェアの研究. (B) 疎性を有効活用した多項式最適化問題(POP)のSDP緩和手法に関する研究. (C) 量子化学分野での電子構造計算,ロバスト最適化,機械学習,制御分野で生じる多項式行列不等式,センサーネットワーク問題等への応用. であった.(A)に関しては,主双対内点法の高速化を行い,公開しているソフトウェアSDPAのVersion upを行った.これにより,大規模な問題の処理速度では他のソフトウェアを大きく上回っている.(B)に関しては,新しく,半正定値補完の双対理論を確立し,それを線形および非線形のSDPに適用した.また,これを実装したソフトウェアSparseCoLOを開発・公開した.(C)に関しては,(A)で高速化したSDPAをセンサーネットワークの位置決め問題のソフトッウェアSFSDPと連動させ高速化を行った.これにより,センサーネットワーク位置決め問題に関しては,大規模な問題を高速に解くことを可能とした.
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