研究課題/領域番号 |
19310098
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研究機関 | 政策研究大学院大学 |
研究代表者 |
刀根 薫 政策研究大学院大学, 政策研究科, リサーチフェロー (00051235)
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研究分担者 |
福山 博文 福岡大学, 商学部, 教授 (80218958)
開原 成允 国際医療福祉大学, 医療経営管理学科, 教授 (30010234)
浅井 澄子 大妻女子大学, 社会情報学部, 准教授 (00329476)
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キーワード | DEA / ネットワーク / システム工学 |
研究概要 |
刀根はNetwork DEAの基礎理論について筒井と研究し論文Network DEA: A slacks-based measure approachを完成し、European Journal of Operational Research Societyに投稿した。またRolf Fare、Shawna Grosskopf両教授と連絡を取りながら研究を行った。その結果Network DEAの有意性が確立された。 福山はNecmi Avkiran教授と共同で、日本の地方銀行のネットワーク構造を考慮した論文を仕上げ、成蹊大学でその概要を報告した。次年度は、この論文の改定を行い、国際的な専門雑誌に出版することを目指す。また、ネットワークDEA研究を更に進めるために、この理論の提唱者であるRolf Fare、Shawna Grosskopf両教授を招聘し、理論の解説および拡張について、成蹊大学におけるシンポジュームで報告をしてもらった。この拡張については、次年度以降に取り組む予定である。 開原は国公立病院を対象として、DEAによる病院の経営効率測定の有効性を研究した。ブラックボックス型のDEAは、経営形態が比較的近い病院の比較においては有効であったが、入力変数が他と大きく異なるような場合には、入力変数の値が本来の有効性以上に影響を与えて必ずしも実状を反映しない場合もあった。これに対し、ネットワーク型のDEAでは、構造を規定した上で効率を計算できるために、上記のような問題点はなかった。しかし、変数が非常に多く必要となるために、適用できる対象が限定される可能性はあり、今後更に詳細に検討する予定である。 浅井は地上放送局のデータ収集とその垂直的構造をモデル化した上で、ネットワークDEAを使って、部門別および放送局全体の技術効率性の計測を行った。計測の結果、放送局の部門毎の特徴が明らかになるとともに、伝統的なDEAモデルに対するネットワークモデルの優位性が示された。
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