研究課題/領域番号 |
19310107
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
足立 裕司 神戸大学, 工学研究科, 教授 (60116184)
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研究分担者 |
後藤 治 工学院大学, 工学部, 教授 (50317343)
長谷見 雄二 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40298138)
藤田 香織 東京大学, 工学研究科, 准教授 (20322349)
稲垣 景子 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 特別研究教員 (20303076)
益田 兼房 立命館大学, 歴史都市防災センター, 教授 (50313317)
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キーワード | 文化遺産 / 防災 / 減災対策 / 木造密集市街地 / 対応マニュアル / 地震 / 火災 / 構造補強 |
研究概要 |
平成19年度の研究としては、[文化遺産を災害から守る2007]と題するシンポジウムを行い、関連する分野から広く報告者を選び、今後の研究の方向をあわせて検討した。その成果として予稿集を出している。シンポジウムの検討事項の1つとして、新たに木造密集市街地のもつ歴史的価値を再確認し、その保全に向けた方策を今年度に行うこととし、必要な防火関係の研究者との連携の必要を確認した。 個別の研究としては、平成19年度、および近年に起こった地震調査を行い、伝統工法の評価を藤田が行い、足立は事前の方策ができていないことや、震災後の復旧に関して、神戸大震災の教訓がいまだに活かされていないことを明らかにした。結果として、文化財の事前体制の状況を把握する必要があることから、本年度中に、市町等の自治体に対してアンケートを行っている。結果の集約については、平成20年度中に行い、分析も完了する予定である。制度上で謳われた事項が、実際にどの程度認識され、実践されているのか、制度上の不備や改良事項についても検討し、あわせて工学的な対応策の検討も行う予定である。 火災については、その事前の体制として保険制度の充実が望まれるが、その対応としてイギリスの制度を参照するために後藤が専門の講習を受けている。構造については、藤田が能登地震の調査から伝統工法の強度について検討を続けており、その成果が発表されている。 平成19年度は、3年計画の初年度ということもあり、今年度以降の調査研究の基礎となる活動に終始したが、今後その成果が期待できると考えている。
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