日常から廃棄されるプラスチック系廃棄物を形態、厚み、色などで約40種類に分類した。赤外線吸光分析によって分類したプラスチック系廃棄物の同定を行った。その結果、ポリエチレンが最も多く全体の62%を占め、次にポリスチレン、ポリプロピレンがそれぞれ4%程度であった。分別した40種類のプラスチック系廃棄物は、それぞれGC-DTAにより熱物性(活性化エネルギーなど)を求めたが、プラスチック材には様々な加工などが施されており、ポリエチレンなどの純物質の文献値と測定結果とは異なった。 堆積状態のプラスチック系廃棄物を保温炉内で一定温度に保ち、臨界状態を創出した加熱実験を行った。実験条件は、一辺0.25mの立方体にプラスチック廃棄物を密度160kg/m^3になるように設定し、恒温器で「自然発火する条件」の130℃および「自然発火しない条件」の80〜100℃とした。熱物性値を基に堆積状態と規模に基づく自然発火の有無を、Frank-Kamenetskiiの熱発火理論に基づいて算出したところ、加熱実験結果と良く一致を示した。 加熱実験時にプラスチック系廃棄物から発生するにおいを一定時間毎に採取した。採取したガスをにおいの強さに応じて窒素ガスにより3〜10倍に希釈しにおい識別装置で測定を行った。この結果、自然発火の危険性が高い時(超臨界の場合)、においの強さを示す臭気指数相当値が大きくなり、自然発火の危険性が低いとき(臨界以下の場合)は、臭気指数相当値は変化しなかった。
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