研究課題
プラスチック系廃棄堆積物は、自然発火を生じる可能性があり、自然発火は、外形的には堆積物内部での微少な燻焼燃焼が発生していることに気づきにくい。プラスチック系廃棄物により模擬的に自然発火を生じさせ、それが進行して行く過程で時間ごとの温度変化とにおいガスの強度及び質を測定した。プラスチック系廃棄物は多種多様のプラスチック混合物であり、これを一つの試料とした加熱炉実験を行った。加熱実験は、送風定温恒温器の中心にガス採取用のシリコーンチューブを取り付け、ステンレス製の立方体籠(一辺0.25~0.4m)にプラスチック廃棄物(密度160kg/m^3)を入れて行った。恒温器温度は、プラスチック系廃棄物が自然発火を起こす130~116℃及び自然発火を起こさない80~112℃とした。試料内に熱電対を設置し計測し、計測時間は発火する場合は発火に至るまで、発火しない場合は試料温度が定常になるまでとした。一定時間毎にシリコーンチューブから注射器にて恒温器内部のガスを採取し、臭いの強度に応じて窒素ガス(G1)で3~50倍希釈し、におい識別装置で測定した。その結果、廃棄物を一つの試料とした場合、堆積物中心部で蓄熱発火する課程でにおい強度が強くなり、においの質はアルデヒド/アンモニアの類似度が大きくなることが分かった。さらに、プラスチック系廃棄物を形態、厚み、色などで約40種類に分類し、個別のプラスチック廃棄物をTG-DTAにて燃焼・熱分解時に発生するにおいを計測し、どの材料から発生するにおいが火災感知に起因するかを調べた。その結果、どの材料も燃焼・熱分解時ににおい強度が高くなり、ポリスチレン以外は、アルデヒド/アンモニアの類似度の比率が大きくなった。ポリスチレンは、芳香族/アンモニアの類似度の比率が大きくなった。これらの結果から、堆積物周囲のにおいにより、火災感知できる可能性が有ることがわかった。
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