研究概要 |
ESIガイドラインの作成 これまでのナホトカ号事故の事例を基にした海岸評価方法について,特に礫海岸における油の残留特性について検討と取りまとめを行った.これを米国ホノルル市における国際学会(PACON2008)においてその成果を発表すると共に関連論文の提出を行った. 当初の研究計画の通り,8月20日〜22日にフィンランド・ロシア・韓国・台湾・中国からの研究協力者が参加し,金沢市星稜女子短期大学においてキックオフミーティングを実施した.その際,油防除対策のためのES正マップ作成について,これまで北海道で行った事例紹介を行うとともに,各国におけるガイドラインの比較等のプレゼンテーションを行った,この会議の参加者から,実際の油汚染事故における海岸分類およびガイドラインは米国NOAAによるものと比較して,「よりシンプルなものが良い」という意見を得た,その後,その「シンプル」の具体的な内容について検討を行うと同時に,台湾等のESIマップの未整備国において地図情報の整備の観点からさらに検討を重ねた.特に,国立台湾中山大学の研究協力者との海岸調査および台湾環境省等の関係者との会合を通して,具体的な作成手法について具体的な検討を行った.その後,12月に韓国史上最大規模となるHebei Spirit号油流出事故が発生し,この事故現場における調査により,「よりシンプルな海岸分類手法」および「比較的容易に海岸分類作業ができる手法」を事故対応現場からの意見を交えて検討した.これらの検討からESIガイドライン作成のための海岸分類手法を調査した.これは北海道立地質研究所ニュースとして速報し,北海道紋別市におけるシンポジウムにおいて,研究代表者の沢野とともに成果発表を行った. 今後はサハリン沖石油・エネルギー開発を主要な適用課題として,関連研究を分担者・協力者と共にさらに前進させたい.
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