研究課題/領域番号 |
19310116
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鍵山 恒臣 京都大学, 理学研究科, 教授 (50126025)
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研究分担者 |
竹村 恵二 京都大学, 理学研究科, 教授 (00201608)
大沢 信二 京都大学, 理学研究科, 准教授 (30243009)
神田 径 京都大学, 防災研究所, 助教 (00301755)
小山 崇夫 東京大学, 地震研究所, 助教 (00359192)
青木 陽介 東京大学, 地震研究所, 助教 (90376624)
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キーワード | カルデラ / 大規模噴火 / 地熱活動 / 火山体構造 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、カルデラ生成噴火に類似している休止期の長い火山噴火に先行する現象と頻繁に噴火する火山活動との違いを体系的に検討した。その結果に基づいて、火山活動に、噴火卓越型火山活動と地熱活動卓越型火山活動に代表される多様性が存在することを明らかにした。また、この特性に基づいて、カルデラ生成噴火の準備過程を研究するための作業仮説を提案した。その仮説は、「マグマの上昇が容易ではない火山においては、マグマが繰り返し地下に滞留するイベントが起き、新たに深部から上昇してきたマグマが滞留しているマグマに衝突して大規模噴火が生じる」というものである。この仮説を出発点にして、マグマの上昇停止がどこでどのような条件化で起きているかを明らかにすることを提案した。 この作業仮説に対応して、霧島や雲仙火山において、電磁気構造調査を継続し、火山ガスが帯水層を介して周辺に拡散していく状況を捉えることに成功し、拡散する過程をモデル化する研究を行った。また、中部九州において、温泉水・湧水の同位体調査を継続し、火山地域および非火山地域においてマグマに起源を持つと考えられる成分が含まれている証拠を捉えることに成功した。今後、これらの拡散過程がどの程度マグマからの脱ガスに関わっているかを明らかにすること、それらの量がどのようなテクトニクス的な条件に規定されているかを明らかにしていく予定である。
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