中越沖地震後に移動した砂地盤の地すべり地において、前年度に購入した地中レーダーを用いて3m深までの地盤構造、特に盛土等の人工地盤、地下水位、コンクリート等の地下構造物を探査できるか調査した.また同時に累積移動観測をGPSを用いて実施した.また取得したレーダイメージのコントラストを明瞭にするための手法を検討した. 不飽和条件下で飽和度とすべり面液状化が発生する条件について京都大学防災研究所で開発した地震時地すべり再現試験機を用いて実験を繰り返し、飽和度約90%以上で一定のせん断が進行した段階で発現することがわかった.せん断時に粒子が破砕し体積収縮傾向となった場合に急激に有効応力とせん断抵抗が低下するために高速地すべりが現れる現象である.また、間隙圧を上昇させて三次クリープ過程を再現する実験も引き続き実施し、加圧密比、斜面傾斜、混合粘土の種類等による速度〜加速度関係の係数の関係を見出した. また、海外の地震豪雨複合斜面災害地を調査した.ベトナム、韓国でも山地斜面で地すべりが多発し、都市域近傍の山地斜面で発生した地すべりでは大規模な斜面災害が発生しており、資料収集、現地調査を実施した.2008年中国四川省・文川地震では多数の地すべりが発生したが、現地で採取した土砂について発生メカニズムを検討した.
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