研究課題/領域番号 |
19310122
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研究機関 | 大島商船高等専門学校 |
研究代表者 |
久保 雅義 大島商船高等専門学校, 校長 (30031470)
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研究分担者 |
小林 英一 神戸大学, 大学院・海事科学研究科, 教授 (90346289)
林 美鶴 神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 准教授 (10294258)
原田 賢治 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (40378922)
辻 啓介 独立行政法人国立高等専門学校機構 大島商船高等専門学校, 商船学科, 教授 (50132642)
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キーワード | 津波 / 係留船舶 / 避難シミュレーション / 錨泊 / AIS |
研究概要 |
今年度は津波来襲時の被害低減化を目指し、まず避難指針の検討を行った。具体的には、津波+潮流下での複数船舶の動的シミュレーション手法を開発するとともに、安全な避難経路の検討を行った。そして瀬戸内海水島水域を対象として、AIS(自動船舶識別装置)で把握した実際の海域での船舶状況を基に計算条件を設定した後、津波来襲が予想され港外避難が推奨されたときの、湾口から錨泊海域にいたるまでの船舶避難シミュレーションを、実施した。この計算コードでは、同時に多数の船舶の挙動を解析できることが特徴であるが、この計算の結果、津波外乱中でも多少の船舶の輻輳、接近はあるものの適切な操船により問題なく目的水域まで避難できることがわかった。このほか、別途開発した津波外乱下における、錨泊船舶の動的挙動解析コードを用い、それら避難海域において、錨泊中に津波来襲をうけても振れまわり現象はみられるものの走錨の危険なく十分安全に避難できることを確認した。これらの手順を他水域に適用することにより、津波来襲時に船舶が安全に避難できるかを検討でき、非常に有用性の高いものであることを確認できた。 このほか主要な成果として、相互に連結された係留中船舶の、津波外乱下における動的挙動解析コードを新たに開発した。その応用として、まずは阪南港に係留された小型船についての挙動解析を試みた。一部に係留索破断がみられたが、湾口に津波軽減装置を設置したり、シンカー係留をアンカー係留に変更する、あるいは係留索を増すことにより、安全に係留できる見通しが得られた。この計算手法についても前項同様に所与の港湾・船舶に対して応用解析ができ、有意義な成果が得られたと考えている。
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