1.培養細胞系の樹立 ポリプテルス鰭をもちいて15%牛胎児血清を含むL-15培養液により培養細胞系の樹立を行ったが一時的に細胞が増えた後に、急速に細胞死がおこり、全細胞が死滅するという現象が繰り返し見られた。そのためコラーゲンコートした培養皿や無血清培地等をもちいて、培養条件を変えるによって細胞培養系の樹立を試みたがいまだ安定した培養細胞系は得られていない。発生途中の胚をもちいた培養細胞系の樹立も試みたが、一部の細胞は培養皿に定着して増殖を行うが大部分の細胞は浮遊したままで、細胞増殖しない。平成21年度は腎臓の短期培養によって染色体標本の作製を行う。また鰭以外の組織をもちいた培養細胞系の樹立も試みる。 2.ゲノムライブラリーの作成 ポリプテルス個体から抽出した高分子ゲノムDNAをもちいて、フォスミドライブラリーの作成を行った。現在までに約20万コロニーのゲノムライブラリーを作成したが、ポリプテルスのゲノムサイズが予想以上に大きいためにポリプテルスゲノムを十分にカバーするだけのコロニー数に達していない。フォスミドライブラリーのサイズをさらに増やすと同時に、より大きなゲノム断片を保持することができるBACベクターの利用を利用したゲノムライブラリーの作成を計画している。
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