研究課題/領域番号 |
19310132
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
和田 明 大阪医科大学, 医学部, 教授 (80025387)
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研究分担者 |
境 晶子 大阪医科大学, 医学部, 助教 (30225750)
吉田 秀司 大阪医科大学, 医学部, 講師 (60288735)
牧 泰史 大阪医科大学, 医学部, 助教 (60401733)
谷川 允彦 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00111956)
古谷 栄助 大阪医科大学, 医学部, 教授 (00028523)
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キーワード | 大腸がん / 抗癌剤抵抗性 / RFHR二次元電気泳動 / 塩基性蛋白質 / プロテオーム |
研究概要 |
和田が開発したRFHR二次元電気泳動法は、IPG等電点法では不可能な塩基性蛋白質に対する高い分離能を持つ。このRFHR法を大腸がんのcell line(DLD-1)と抗がん剤5FUへの抵抗性を獲得したcell line(DLD-1 5FU)とに適用して、発現する塩基性蛋白質の変化を明らかにするのが本研究の日的である。今年度の研究実施計画の第一はRFHR法をヒト塩基性蛋白質に適用するための有意性を確立することであるが、以下の結果を得た。1.ヒト蛋白質の調製法として従来から確立された方法ではピストンH1の回収率が低くかつ不安定であることがわかった。その原因はピストンH1と核画分以外の蛋白質との相互作用がRFHR法のゲルへのヒストンH1の泳動を阻害することによるらしい。これは核を分画し、その他の蛋白質と隔離してから蛋白調製することによって解決できた。2.蛋白質のゲル中での可溶性を向上させるためRFHR法の全過程を7M尿素存在下から9M尿素存在下に改良した。これらの改良によって二つのcell lineの蛋白質の変化を定量的に行えるようになった。こうしたRFHR法の性能向上のための努力は、バクテリア蛋白質を指標にしたプロテオーム解析に平行して取り組むことによって効果的に進められた。研究実施計画の第二は、以上の準備段階を踏まえてDLD-1とDLD-1 5FUの全塩基性蛋白質の変化を比較することである。実験は、5種類の塩基性蛋白質が5FUに対する抵抗性を獲得することによって量的に変化することを示した。その変化はいずれも抵抗性を獲得したDLD-1 5FU側で増加するものであった。この結果は現在投稿中であるが、採択されればヒトの全塩基性蛋白質を定量的に解析した初めての報告になる。
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