研究分担者 |
堀江 俊治 城西国際大学, 薬学部, 教授 (50209285)
五十嵐 一衛 千葉大学, 名誉教授 (60089597)
北島 満里子 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (60195261)
星野 忠治 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (90257220)
小暮 紀行 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (80396689)
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研究概要 |
脳機能,特に記憶と痛みに関与する天然有機化合物の探索,化学合成およびそれらの医薬化学研究を実施し,新規な認知症改善薬とオピオイド性鎮痛薬の創製のため,下記の点に取り組んだ。 1)脳機能に関与する天然物の探索:ヒカゲノカズラ科Lycopodium属植物およびヒガンバナ科Lycoris属,Haemanthus属植物,中国雲南省産キョウチクトウ科Kopsia属植物の成分検索を実施し,多数の新規アルカロイド類を得た。この中に,強力なAChエステラーゼ阻害活性を有するアルカロイド類を見いだした。 2)AChエステラーゼ阻害活性およびオピオイド性鎮痛活性を有する天然物の不斉全合成研究:標記活性を持つリコポジウムアルカロイドのLycoposerramine-VandWおよび三量体型ピロリジノインドリンアルカロイドのPsychotrimineの全合成に成功した。 3)NMDA受容体はCa^<2+>をニューロンに輸送することにより,記憶の形成,脳虚血時の症状悪化に強く関与している事から,本分子標的のチャネルブロッカーは脳機能改善に大きく寄与すると考えられる。そこで我々のシード化合物を基本として合理的分子設計により種々の誘導体を合成し,有力なアルツハイマー型認知症治療薬のための医薬候補化合物の創製を目指した。その結果,NMDA受容体サブタイプ選択的に作用する強力なポリアミン系チャネルブロッカーを見いだすことに成功した。現在,この最適化と動物実験を実施している。
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