研究課題/領域番号 |
19310137
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
高山 廣光 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90171561)
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研究分担者 |
堀江 俊治 城西国際大学, 薬学部, 教授 (50209285)
北島 満里子 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (60195261)
小暮 紀行 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (80396689)
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キーワード | 鎮痛薬 / 脳機能改善薬 / アルカロイド / 成分探索 / 全合成 / 構造活性相関 / リコポジウム / オピオイド |
研究概要 |
脳機能、特に記憶と痛みに関与する天然有機化合物の探索、化学合成およびそれらの医薬化学研究を実施し、新規な認知症改善薬とオピオイド性鎮痛薬の創製のため、下記の点に取り組んだ。 1.脳機能に関与する天然物の探索:タイ産ヒカゲノカズラ科Lycopodium属植物、中国雲南省産キョウチクトウ科1(KopsiaおよびMelodinus属植物、同じくキョウチクトウ科Voacanga属植物、さらにヒガンバナ科Natcissus属植物の成分検索を実施し、数十種の新規アルカロイド類を得た。この中に、強力なAChエステラーゼ阻害活性やカンナビノイド受容体アンタゴニスト活性を有するアルカロイド類を見いだした。 2.AChエステラーゼ阻害活性およびオピオイド性鎮痛活性を有する天然物の不斉全合成研究:標記活性を持つリコポジウムアルカロイドのLycoposerramine-X and Zの不斉全合成に成功した。 3.オピオイド性鎮痛アルカロイドの医薬化学研究:モルヒネとは基本骨格が全く異なる新しいタイプの鎮痛性インドールアルカロイド7-Hydroxymitragynineをリードとして各種誘導体を合成し、活性の更なる向上とin vitro in vivoでの作用を評価した。その結果、基質のベンゼン環上にフッ素原子を導入し、さらにインドール核の一部を還元した誘導体が、マウス経口投与においてモルヒネの200倍を超える鎮痛活性を有することが明らかとなった。今後、本化合物の体内動態改善を目指した誘導体合成を実施し、鎮痛薬開発候補化合物の創製を図る。
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