がん抑制遺伝子産物の作用を増強させる天然低分子化合物の開発

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 19310140
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 生物分子科学
• 研究機関: 熊本大学 (2008-2009); 金沢大学 (2007)
• 研究代表者: 塚本 佐知子 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (40192190)
• 研究期間 (年度): 2007 – 2009
• キーワード: ユビキチン / プロテアソーム / がん抑制遺伝子産物 / 抗がん剤 / p53 / 天然低分子化合物 / 海洋生物

研究概要

がん抑制遺伝子産物であるp53タンパク質は、細胞のがん化を抑える重要な働きをしている。したがってp53の働きを増強する薬剤は、がんを治療できると考えられる。本研究では、p53-Hdm2複合体形成とUbc13-Uev1A複合体形成の阻害を指標として、海洋資源からp53の作用を増強させる低分子化合物の探索を行った。さらに、当研究室において既に確立したアッセイ系を用いて、広くユビキチン-プロテアソームシステムに対する阻害物質の探索を行った。

研究成果

• [雑誌論文] Aaptamine, an Alkaloid from the Sponge Aaptos suberitoides, functions as a Proteasome Inhibitor (2010)
  • 著者名/発表者名: S. Tsukamoto, H. Yokosawa(10名のうち1番目)
  • 雑誌名: Bioorg. Med. Chem. Lett 20 ページ: 3341-3343
  • 査読あり
• [雑誌論文] Inhibition of the Ubiquitin-proteasome System by Natural Products for Cancer Therapy (2010)
  • 著者名/発表者名: S. Tsukamoto, H. Yokosawa
  • 雑誌名: Planta Medica (Review)
  • 査読あり
• [雑誌論文] Targeting Aaptos suberitoides HN N OCH3 H3CO aaptamine N N OCH3 HO isoaaptamine H3C HN N OCH3 HO demethylaaptamine OH O HO O (R)-(-)-Hexylitaconic acid the Proteasome Pathway (2009)
  • 著者名/発表者名: S. Tsukamoto, H. Yokosawa
  • 雑誌名: Expert Opin. Ther. Targets 13 ページ: 605-621
  • 査読あり
• [雑誌論文] Stereochemical Studies of Hexylitaconic Acid, an Inhibitor of p53-HDM2 Interaction (2009)
  • 著者名/発表者名: A. Nakahashi, N. Miura, K. Monde, S. Tsukamoto
  • 雑誌名: Bioorg. Med. Chem. Lett 19 ページ: 3027-3030
  • 査読あり
• [雑誌論文] Absolute Configuration of the α,ω-Bifunctionalized Sphingolipid Leucettamol A from Leucetta sp. by Deconvoluted Exciton Coupled CD (2009)
  • 著者名/発表者名: D.S. Dailisay, S. Tsukamoto, T.F. Molinski
  • 雑誌名: J. Nat. Prod 72 ページ: 353-359
  • 査読あり
• [雑誌論文] 展開するプロテアソーム阻害剤研究 (2008)
  • 著者名/発表者名: 塚本佐知子、横沢英良
  • 雑誌名: 実験医学・増刊(田中啓二)(羊土社) 26 ページ: 122-127
  • 査読あり
• [雑誌論文] ユビキチンリガーゼを分子標的とする新規抗がん剤の海洋生物からの探索 (2008)
  • 著者名/発表者名: 塚本佐知子
  • 雑誌名: 薬学研究の進歩 24 ページ: 45-51
  • 査読あり
• [雑誌論文] Leucettamol A: A New Inhibitor of Ubc13-Uev1A Interaction Isolated from a Marine Sponge, Leucetta aff. microrhaphis (2008)
  • 著者名/発表者名: S. Tsukamoto, T. Takeuchi, H. Yokosawa(10名のうち1番目)
  • 雑誌名: Bioorg. Med. Chem. Lett 18 ページ: 6319-6320
  • 査読あり
• [学会発表] 創薬を指向した天然薬物学研究(日本薬学会学術振興賞受賞講演) (2010)
  • 著者名/発表者名: 塚本佐知子
  • 学会等名: 日本薬学会第130回年会
  • 発表場所: 岡山(全日空ホテル)(招待)
  • 年月日: 2010-03-28
• [学会発表] 海綿Xestospongia cf. vansoestiから得られたテトラヒドロイソキノリンアルカロイドの構造と生物活性 (2010)
  • 著者名/発表者名: 長澤由美子
  • 学会等名: 日本薬学会第130回年会
  • 発表場所: 岡山(桃太郎アリーナ)
  • 年月日: 2010-03-28
• [学会発表] 海綿Aaptos suberitoidesより得られたaaptamine類のプロテアソーム阻害作用 (2010)
  • 著者名/発表者名: 山之口瑠美
  • 学会等名: 日本薬学会第130回年会
  • 発表場所: 岡山(桃太郎アリーナ)
  • 年月日: 2010-03-28
• [学会発表] ユビキチン-プロテアソームシステムを標的とする海洋由来低分子化合物の探索 (2009)
  • 著者名/発表者名: 塚本佐知子
  • 学会等名: 第51回天然有機化合物討論会
  • 発表場所: 名古屋(名古屋市公会堂)
  • 年月日: 2009-10-07
• [学会発表] 海洋由来真菌から得られた新規notoamidesの構造と生合成経路に関する考察 (2009)
  • 著者名/発表者名: 塚本佐知子
  • 学会等名: 日本生薬学会第56回年会
  • 発表場所: 京都(京都薬科大学)
  • 年月日: 2009-10-03
• [学会発表] Stereochemical sudies of hexylitaconic acid, an inhibitor of p53-HDM2 interaction (2009)
  • 著者名/発表者名: Atsufumi Nakahashi
  • 学会等名: Chirality 2009 (ISCD): 21st International Symposium and Exhibit on Chirality
  • 発表場所: Breckenridge (Colorado), USA
  • 年月日: 2009-07-12
• [学会発表] p53-Hdm2複合体形成阻害物質ヘキシルイタコン酸の赤外円二色性による立体化学解析 (2009)
  • 著者名/発表者名: 中橋徳文
  • 学会等名: 日本化学会第89春季年会
  • 発表場所: 船橋(日本大学船橋キャンパス)
  • 年月日: 2009-03-27
• [学会発表] 海綿Aaptos aaptosから得られたプロテアソーム阻害物質 (2009)
  • 著者名/発表者名: 塚本佐知子
  • 学会等名: 日本薬学会第129回年会
  • 発表場所: 京都(国立京都国際会館)
  • 年月日: 2009-03-26
• [学会発表] ユビキチン-プロテアソームシステムを阻害するleucettamol Aとその誘導体の活性について (2008)
  • 著者名/発表者名: 塚本佐知子
  • 学会等名: 第12回がん分子標的治療研究会総会
  • 発表場所: 東京(学術総合センター)
  • 年月日: 2008-06-26
• [学会発表] インドネシア産海綿Leucetta microrhaphisから得られたプロテアソーム阻害物質 (2008)
  • 著者名/発表者名: 塚本佐知子
  • 学会等名: 日本薬学会第128回年会
  • 発表場所: 横浜(パシフィコ横浜)
  • 年月日: 2008-03-26
• [学会発表] ユビキチンシステムを標的とする天然からの創薬リード化合物の探索 (2008)
  • 著者名/発表者名: 塚本佐知子
  • 学会等名: 日本薬学会第128回年会
  • 発表場所: 横浜(パシフィコ横浜)
  • 年月日: 2008-03-26
• [学会発表] ユビキチン依存的分解系を標的とする海洋生物由来の低分子化合物の探索 (2007)
  • 著者名/発表者名: 塚本佐知子
  • 学会等名: 大阪府立大学有機化学研究会第48回講演会(白鷺セミナー)
  • 発表場所: 大阪(大阪府立大学)
  • 年月日: 2007-10-24
• [図書] アイピーシー、天然物化学 (2008)
  • 著者名/発表者名: 塚本佐知子
  • 総ページ数: 173-190
  • 出版者: 海洋生物
• [備考]
  • URL: http://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/Labs/shoyaku/site/TOP.html