研究課題
新規がん細胞遊走阻害物質UTKO1のEGF刺激によるヒト扁平上皮癌A431細胞の細胞遊走の阻害作用は、UTKO1が14-3-3ζに結合してその機能を阻害した結果、Rac1活性化を抑制することにより引き起こされることを見いだした。つぎに14-3-3ζがUTKO1の標的であることを裏付けること及びA431細胞の遊走における14-3-3ζの役割を明らかにすることを試みた。その結果EGF刺激が誘導するA431細胞の遊走においては、14-3-3ζによるTiam1及びssPixの一方、もしくは両方のGEF活性の調節が重要である可能性が示唆された。さらに、EGF刺激によるA431細胞の遊走において、LTC_4がCysLT1に結合し、CysLT1からのシグナルが14-3-3zの発現上昇を促した結果、Rac1の活性化とそれに伴うラメリポディア形成を誘導して細胞遊走を引き起こすことが示された。さらに興味深いことに、EGF刺激はLTC_4の産生のみでなくCysLT1の発現上昇を誘導することが明らかとなった。またEGF刺激によるCysLT1の発現上昇機構は転写・翻訳レベルによらず、プロテアソームによるタンパク質分解の抑制に起因する可能性が示唆された。
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