研究分担者 |
竹中 千里 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (40240808)
野中 健一 立教大学, 文学部, 教授 (20241284)
宮岡 邦任 三重大学, 教育学部, 准教授 (70296234)
長屋 祐一 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (50303756)
小野 映介 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (90432228)
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研究概要 |
初年度にあたる今年度は,基礎データの蓄積に努めた。四日市地域の地形地質条件,地下水流動形態,地表水-地下水の交流関係など,今後の調査研究に関する基礎データの収集を行った。 約40年前に発生した公害の痕跡を地下環境から明らかにすることを目的に,三滝川旧流路にあたる地質構造を呈する地点に,深度5m,10m,15mの観測井を掘削した。観測井には水位、水温センサーを設置し,平成20年3月下旬より15分間隔で長期モニタリングを開始している。また,掘削時に得られたボーリングデータから,本地域の地質構造には海成層と陸成層が存在し,各層を流動する地下水の水質が電気伝導度的に見たときに異なることが判明した。このことは,深度によって地下水の涵養域や滞留時間が異なることを示しており,今後の詳細な水質分析により,本研究の目的の一つである季節風によって内陸に輸送された物質の降下→浸透→地下水を媒介とした下流への輸送についての議論が出来ることが期待される。 さらに,対象地域の地下水流動形態を把握するために,灌漑の影響が小さい冬季に地下水、河川水の測水調査を実施した。その結果,四日市平野部の地下水面標高は非常に浅く,地域によっては自噴している地域が存在した。今後,四日市地域に関しては,観測井を活用した水温プロファイルの測定を行い,都市化による地下への熱輸送がどの程度の深度にまで及んでいるか,また地下永流動系ごとにどのような季節変化や人為的影響が存在するかを解明する予定である。次年度以降,四日市の観測結果を基に比較研究を行う予定である韓国の調査地域について,地形地質などの情報収集を行った。
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