研究課題/領域番号 |
19310158
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
村上 呂里 琉球大学, 教育学部, 教授 (40219910)
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研究分担者 |
梶村 光郎 琉球大学, 教育学部, 教授 (70255016)
那須 泉 琉球大学, 法文学部, 非常勤講師 (20381204)
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キーワード | 地域語 / おもろそうし / 群読 / 学習者主体 / 第二言語 / バイリンガル教育 / 多言語社会 / メタ言語意職 |
研究概要 |
多言語地域における言語教育カリキュラムの開発にあたり、本年度は第1回目研究会を沖縄で、第2回研究会をベトナム・タイグェン省で行った。第1回研究会においては、地域語文化の伝承を目標とし、沖縄古典文学『おもろそうし』より日の出の風景を表現した歌謡を教材とした単元「あけもどろの花」を開発し(小学校6年生対象)、研究授業を行うとともにベトナム人研究者を交えて授業研究会を行った。そこで、「群読」ということばの響きとイメージの豊かさを一体として学ぶ方法論について、ベトナム人研究者より積極的な評価を受けるとともに、地域語と現代共通語とをいかに関連づけ、メタ言語意識を育むべきか、討議を行った。第2回研究会では、タイグェン師範大学の講義「ベトナム語教授法(少数民族小学生にいかに共通語であるベトナム語を教えるかをテーマとする)、「民族伝承文学」(少数民族の学生自身が、自らの民族の伝承文学について研究したことを発表する)および少数民族地域における小学校1年生を対象とした「ベトナム語」の授業を参観し、研究会を持った。前者の大学における講義は、学習者主体の工夫に満ちたものであったことを確認しあった。。後者の小学校の授業については、教具の工夫が見られる一方、学習者の母語の背景を十分に配慮しない一斉注入式の授業の問題点について協議した。今年度は、言語教育カリキュラム開発の土台として、(1)地域語を教材とする単元を実際に開発し、(2)地域語文化伝承のための授業方法論に関する共通認識を形成するとともに、(3)多言語地域を生きるためにメタ言語意識の育成が重要であり、今後の課題とすることを確認しあった。
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