研究課題
本研究は、学際的なアプローチから社会的公正に関する理論研究を深め、北東アジアの持続的発展にとっての社会的公正の意義を考察し、社会的公正を推進するためのフェア・ガバナンスの課題と可能性を考察することを目的とする。最終年度である本年度には、北東アジア発の社会的公正の理論研究の方向性と北東アジアに置ける社会的公正の課題分析を総括した。5月から6月にかけて、研究協力者としてワジム・シローコフ島根県立大学准教授、貝塚寛子・外務省広報文化部課長補佐および小川玲子・九州大学アジア総合政策研究センター准教授を吉備国際大学に招聘し、代表者メルヴィオおよび研究連携者・高橋睦子(吉備国際大学)との研究協議を行い、専門的知識の提供を受けた。6月末には高橋は韓国社会学会(於:ソウル)で福祉社会での情報化とリスクについての研究発表を行った。メルヴィオは、研究連携者・北尾邦伸(京都学園大学)、高橋、および海外共同研究者M.Schreurs(ドイツ・ベルリン自由大学)とともに、北東アジアの環境ガバナンスの課題についての研究パネルを主宰し研究発表を行った(8月第2週:「第1回世界環境歴史会議(World Congress of Environmnetal History)」、於:コペンハーゲン)。9月以降、メルヴィオの助言のもとで、高橋は、香港市城大學のRaymond Chan准教授と国立台湾大學のLih-Rong Wang教授と共編著『Risk and Public Policy in East Asia』の編集作業を行った(英国Ashgate社から2011年初頭に刊行予定)。同書は社会政策研究での英語学術図書としては初めて東アジアのリスクと社会的公正を論じた研究成果である。1月から3月にかけて、代表者メルヴィオは、本研究プロジェクトの最終報告書の編集作業を行った。
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Journal of Asian Public Policy Vol.2, No.3
ページ: 314-329