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2008 年度 実績報告書

ケア労働者の感情労働・ジェンダー意識・専門職意識に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 19310163
研究機関東京学芸大学

研究代表者

松川 誠一  東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (20296239)

研究分担者 藤原 千沙  岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (70302049)
キーワードケア / ジェンダー / 感情 / 専門職 / 労働 / グループホーム / 市場化 / 社会的ネットワーク
研究概要

ケア労働者が行なっている感情労働のあり方について、労働過程論の視角から検討を行なうとともに、競争的環境のなかでケア供給を行なっている事業主体の組織上の特質を踏まえた、ケアの準市場化政策のケア労働への影響を明らかにするべく調査・研究を行なった。
まず、グループホーム職員に対する全国規模の郵送調査(2007年実施)から得られているデータを用いて、職員のバーンアウト得点と感情労働の関係を探った。バーンアウト尺度を因子分析にかけた結果、当該データにおいては通常考えられている3因子構造ではなく、2因子構造(情緒的疲労感因子と個人的達成感の減退因子)を持つことが示唆された。それぞれの因子を従属変数として、感情労働に関わる変数、組織内におけるコミュニケーション・パターン、事業所の属性、個人属性などを独立変数として投入したモデルで重回帰分析を行なったところ、以下のような結果が得られた。(1)所属事業所の法人形態については、バーンアウト得点への効果が観察されなかった。これは、営利法人/非営利法人の2値データによっても同様であった。(2)感情労働の程度に関する変数は、情緒的疲労感因子に対しては正の有意な効果を持っていたが、個人的達成感の低下因子については、有意な効果は観察されなかった。(3)同僚間の水平的なコミュニケーションは情緒的疲労感の低減につながっていたが、個人的達成感の減退因子に対しては有意な効果を示さなかった。他方、上司との垂直的なコミュニケーションについては個人的達成感の減退因子については低減効果があったが、情緒的疲労感因子については有意な効果は観察されなかった。(4)個人的属性に関しては、年齢とキャリア・コミットメントが最も強力なバーンアウト低減効果を持った変数であることが明らかとなった。(5)性別役割分業意識はバーンアウト因子に対して、有意な効果を示さなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] ジェンダー化された介護労働と「家庭的なケア」の陥穿--認知症高齢者グループホームの現場から2009

    • 著者名/発表者名
      矢渾澄子
    • 雑誌名

      東京女子大学紀要「論集」 59(2)

      ページ: 111-143

  • [雑誌論文] ケアの市場化・感情労働・介護労働者のバーンアウト--認知症高齢者グループホーム職員への全国調査から2008

    • 著者名/発表者名
      松川誠一, 清水洋行, 矢澤澄子, 久場嬉子, 藤原千沙, 吉村治正
    • 雑誌名

      経済社会学会年報 30

      ページ: 101-112

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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