研究課題/領域番号 |
19310165
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
藤井 和佐 岡山大学, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (90324954)
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研究分担者 |
田中 里美 広島国際学院大学, 現代社会学部, 准教授 (00300129)
杉本 久未子 大阪人間科学大学, 人間科学部, 教授 (60340882)
[ツル] 理惠子 吉備国際大学, 社会学部, 准教授 (20227474)
家中 茂 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (50341673)
木村 都 奈良佐保短期大学, 短期大学, 相談役 (50225067)
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キーワード | まちづくり / ジェンダー / 集落再生 / 高齢者福祉 / 地域力 / 市町村合併 / 自治会 / 家族構造 |
研究概要 |
本年度は、昨年度実施した岡山県笠岡市白石島における質問紙調査の分析結果を携えて現地報告会開催し、併せて住民との意見交換会を行なった。また、岡山大学で開催された地域社会学会第34回大会においては、大会テーマ「瀬戸内から見た地域『再生』の現実」に合わせ「地域セッション」を企画し、本研究成果のなかから広島県呉市および岡山県高梁市の研究成果を発表した。さらに以下のような調査研究にもとづく知見を得、その成果を総括するとともに、それぞれ学会発表を行なった。1、合併自治体において旧自治体別に人口移動・年齢別人口・就業構造等に関するGIS分析を進めた結果、中心・周縁構造ができており、自治体内格差が生じていることが明らかとなった。(兵庫県篠山市・広島県呉市)2、篠山市自治会長質問紙調査において募った聞き取り調査対象者50名にインタビューを行なった。その結果、自治会長の世代・学校歴・移動歴と活動指向とに関係があること。地域共同性の維持に他出者が担い手となっていること。地域資源のあり方が集落の将来展望を左右していること等が明らかとなった。3、昨年度まで手薄であった若者に焦点をあてた調査を行なった。篠山市における20代の女性の生活にも、呉市の若い女性の就労形態にも家族構造が関係しているが、ともに「地城」が力になっていない様子がうかがえた。4、合併後のまちづくりが支所(旧自治体)によって様ざまであり、自治体内格差の要因となる一方で地域の偶性化にもつながっていることが明らかとなった。(広島県庄原市)5、T型集落点検の手法による詳細な現状把握、住民の将来ビジョン・行動計画から、住民は客観的な悪条件を乗り越える工夫をしていること。それを可能とする社会関係、制度などが形成・維持されていること。外部との交流により弱さを力に換えている点が明らかとなった。(岡山県高梁市)
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