研究概要 |
『リグヴェーダ』(前1200頃)全訳企画中に担当する研究初年度であった。全訳は予定のOberliesに代わる2名の参加を得て遂行された。成果はInsel-Suhrkamp社設立のVerlag der Weltreligionenの第1企画として9月末出版された:Rig-Veda. Das heilige Wissen. Erster und Zweiter Liederkreis. Aus dem vedischen Sanskrit ubersetzt und herausgegeben von Michael Witzel und Toshifumi Goto unter Mitarbeit von Eijiro Doyama und Mislav Jezic。国際書籍見本市に際しての記者会見(Frankfurt,10.8)に出席,好反響を得た。企画調整,次巻(III-V)へ向けWitzel, Goto, Doyama,編集者間で打合せを行った(→旅費)。 助成に関わる成果は計899頁の実質約半分に当たる報告者担当分に反映されている:167-347,636-780(:I94-191訳,注解),409-412,813-816(:II35),825-855(語彙集),856-860(文法学修辞学用語解説)。Geldner訳以来80年間にインド学,印欧語比較言語学等の分野で達成された成果に立つ最新独自の理解を提供すべく主導的役割を果たした。語彙集には集大成と言える新知見を盛り込んだ。既に多くの讃辞を得,論文にも引用され始めた。 導入したスキャナー,プリンターは,三国間で瞬時に処理すべきことのある校正や通信に効果的である。インド学関係など90余点の書籍を購入した(→物品費)。常時博士課程修了者2名に事務,調査,入力,校正などの助力を得た(→謝金)。改築等の障碍にも拘わらず一年以内に達成できる最大限の成果と自負する。次年度に期するところ大である。
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