研究課題
初年度として本年度は以下の活動を行った。申請書に明記した平成19年度の研究計画・方法のうち、まず「(A)これまでの研究状況の確認と問題点の指摘」のため、これに関する導論的発表「宗教文献と人物移動の地域特性:概観、そして特性地域への若干の注目」を船山が行い、全員による討論と意見交換を行った。「(B)宗教情報伝達ルートの研究」としては、吉村誠による「玄奘のインドにおける修学について」と題する研究発表が行われた。また海外研究協力者としてタンセン・セーン博士(ニューヨーク市立大学バルク校准教授)を招へいし、「Buddhist Networks in Asian and World History(アジア史と世界史における仏教徒のネットワーク)」と題する公開講演会を開催し、各参加者が活発に意見を交換した。セーン氏からはこのほか、仏教と海路による移動に関する研究打ち合わせを通じて、先行研究と今後の研究課題について多くの情報を得た。「(C)6世紀の真諦の事績の研究」に関しては京都大学人文科学研究所共同研究班「真諦三蔵とその時代」と連動する形で定期的に研究会を開き、真諦関連の文献会読および討論を全員で行った。「(D)文字資料の入力整理」として、本年度は『高僧伝』を中心として関連データの入力整理を行い、また関連資料の電子化を始めた。なお上記(B)(C)に関してはさらに、真諦三蔵その他の僧侶の地理的動向に即して中国広州の現地調査と遺物調査を行い、広州地方における河川と僧侶の移動に関する知識を得た。船山と古勝が調査を担当し、帰国後、研究会を開催してこれを発表し、他の研究分担者と議論を行った。その他の研究実績については「研究発表(平成19年度の研究成果)」に記す通り。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件) 図書 (2件)
東方学報、京都 80
ページ: 1-18
H. Krasser et al. (eds. ), Pramanakirtih. Papers Dedicated to Ernst Steinkellner on the Occasion of His 70th Birthday
ページ: 187-202
法鼓仏学学報 1
ページ: 241-275
オリエント 50-1
ページ: 53-79
Korean Buddhism in East Asian Perspectives, Geumgan Center for Buddhist Studies. ed., Geumgan University, Seoul
ページ: 265-275
印度学仏教学研究 56-1
ページ: 177-183
望月海淑編著『法華経と大乗経典の研究』
ページ: 241-251