研究課題/領域番号 |
19320015
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
浅見 洋 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (00132598)
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研究分担者 |
阿部 知恵子 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (80337427)
今礒 純子 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (00347428)
塚田 久恵 石川県立看護大学, 看護学部, 准教授 (80586462)
彦 聖美 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (80531912)
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キーワード | 人口減少地域 / 死生観 / ケアニーズ / ターミナルケア / 宗教儀礼 |
研究概要 |
2010年7、8月に奥能登(珠洲市と能登町)の住民2400名を対象として「死生観と在宅終末期療養についての意識調査」を実施し、その調査結果を2007年7月度の意識調査結果と比較検討することによって「死生観と終末期療養ニーズの変容」について考察した。 人口減少地帯である奥能登は伝統的に在宅療養と在宅死が多い地域であった。しかし、本調査における在宅終末期療養に関する設問の「最後まで自宅で療養したい」とする回答は2007年46.1%→2010年40.1%、「家族を最後まで自宅で療養させたい」とする回答は2007年37.1%→2010年33.9%という結果であり、3年間で在宅療養に関するニーズが減少傾向にあることが明らかになった。特に年齢層が低く、家族数が少ないほどその傾向が顕著であり、人口減少地帯においても「死の病院化」、「死の専門化」が進行していた。理想的死に関する調査では「長い闘病生活のない死」、「周囲に迷惑をかけない死」、「苦痛・恐怖の少ない死」などの負担の少ない死が望まれていた。一方「家族や親しい人に囲まれての死」と「出来る限り長生きした後での死」が減少傾向にあった。「家族に見守られて」という伝統的な死生観が衰退し、単なる長命や延命を望まない住民が増加していた。 また、ドイツにおける人口減少地帯の死生観の変容やターミナルケアの実態を視察調査するため、ドイツのテユービンゲン、ジュッセルドルフにおける高齢者福祉、ターミナルケアの現状視察を行い、日本の人口減少地帯の現状に対する認識を深めることができた。
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