研究課題/領域番号 |
19320019
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
伊藤 徹 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (20193500)
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研究分担者 |
秋富 克哉 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (80263169)
岡部 美香 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (80294776)
荻野 雄 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (50293981)
笠原 一人 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (80303931)
竹中 均 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (90273565)
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キーワード | 日本近代 / 作ること / 思想 / 工芸 / 建築 / 文学 / 教育 / 政治 |
研究概要 |
本研究は、哲学思想、美術工芸、建築、政治・社会、教育、文学の各研究班における分担者ならびに協力者の研究をベースに、本年度6回の研究会合および1回の予備会合をもち、研究成果の検証および情報の共有を行なった。会合での研究報告は、全体で17件を数え、申請時予定していた分担者・協力者に加え、新たな研究者も参加し、「日本近代における作ること」の諸相をさらに多角的に考察することができた。考察された主要人物は、九鬼周造、土田杏村、三木清(哲学思想)、富本憲吉、柳宗悦、萬鉄五郎(美術工芸)、前川國男、村野藤吾(建築)、高田保馬、三宅雪嶺(政治・社会)、小野島右左雄、小原國芳(教育)、幸田露伴、夏目漱石、長谷川天渓(文学)であるが、彼らを始め日本近代の知識人および芸術家たちは、作ることの先鋭的形態としてのテクノロジーの展開による既存の生のかたちの崩壊を経験し、それぞれの仕方でこの崩壊に対応しようとしてきたのであり、彼らにおいて、これを埋め合わせるべく作られていく精神史的形象(自然、生命、日本的なものなど)が、その危うさと創造性の両面において問題を提起し研究関心を触発したといってよい。また研究全体の中間的検証を意図し、外部の研究者として竹田純郎金城学院大学教授を招いてディスカッションの場を設定し、氏の研究と当該共同研究との比較検討を行なったこと、さらに3月には代表者が中華民国国立台中教育大学および静宜大学において、本研究を基にし夏目漱石と浅井忠の比較および1912年の芸術状況について招聘学術講演を行ない、研究交流の糸口を得たことを付記しておく。なお本研究の目的の一つである論集『作ることの日本近代』(世界思想社刊)に関しては、原稿も出揃い、全体の整理統一作業を待つところまで到っている。
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