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2008 年度 実績報告書

近代西欧に於ける「ラファエッロ以前」問題の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19320024
研究機関一橋大学

研究代表者

喜多崎 親  一橋大学, 言語社会研究科, 教授 (90204883)

キーワードラファエッロ / プリミティヴ / ラファエル前派 / 中世回帰 / デューラー / フラ・アンジェリコ / ナザレ派
研究概要

3月末に研究協力者の出席を得て研究報告会があり、各研究者によって以下のような報告がなされた。( )内は担当者。喜多崎:宗教画に於いてラファエッロ以前の様式を高く評価したリオの言説が、古典的なギリシアの理想美を逸脱しなかったにもかかわらず、フラ・アンジェリコの未熟ともいえる造形に、自然の再現とは異なる価値を見出していた。イギリス(山口):ラファエッロ前派のプリミティヴィズムはNaturに関するラスキンの複雑な議論が影響している。イギリス(堀川):世紀末にイギリスでテンペラ技法の復興があるが、これは第3次のラファエッロ前派の活動として評価でいる。ドイツ(尾関):ドイツに於いてはラファエッロの以前と以後という時系列的区分が弱く。デューラーからラファエッロへ至る図式が行われた。ドイツ(佐藤):デューラーは16-17世紀に特に脚光を浴び、ドイツのカノンとして認められていく。イタリア(松原):19世紀のシエナのムッシーニは、プリミティヴィズムに関して、ナザレ派の影響から独自の自然主義へと至る独特の展開をしている。ほぼ同時期に、互いに影響関係もあった様式選択としてのラファエッロ以前への回帰が、フランスでは宗教性、ドイツやイタリアではナショナリズム、イギリスでは自然観と結びついていることから、国に拠ってかなりの差があったことが明確になった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 様式選択の聖と俗-二項対立からの逸脱2009

    • 著者名/発表者名
      喜多崎 親
    • 雑誌名

      西洋美術研究 15(未定)(6月発行予定)

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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