研究課題/領域番号 |
19320026
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
根立 研介 京都大学, 文学研究科, 教授 (10303794)
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研究分担者 |
中村 俊春 京都大学, 人文研究科, 教授 (60198223)
武笠 朗 実践女子大学, 文学部, 教授 (30219844)
平川 佳代 近畿大学, 文芸学部, 准教授 (10340762)
深谷 訓子 尾道大学, 芸術文化学部, 講師 (30433379)
皿井 舞 国立文化財機構東京文化財研究所, 企画情報部, 研究員 (80392546)
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キーワード | 模倣 / 模写 / 模刻 / 模古 / 型 / 古典学習 / 型 / 規範 |
研究概要 |
19年度は本研究の初年度に当たり、研究分担者は各自が設定したテーマに従い、資料収集の作業を主要な行い、さらに研究成果を公表する研究会を2回開催した。特に成果が上がったものとしては、研究代表者の根立が7月下旬から8月上旬にかけて実施したドイツ・スイスの日本・東洋美術を収集する美術館調査のうちの、ドイツ・ケルン東洋美術館での地蔵菩薩像(1249年康円作)及び納入品調査で、この鎌倉時代の仏像模刻の重要資料の調査研究に関する成果の一部を、12月8日に開催された科学研究費研究会で「仏像の模倣」というテーマで発表するとともに、平成20年2月に刊行された『日本彫刻基礎資料集成 鎌倉時代 造像銘記篇第6巻』で公表した。また、根立は、研究分担者武笠及び研究協力者張南南(京都大学文学研究科博士後期課程)と共に、12月中国浙江省で現地調査を実施した。調査対象の主要なものとしては、近年日本の和様彫刻との親近性が唱えられた杭州市慈雲嶺石仏があるが、保存状態の問題もあり、先の見解に対しては批判的にならざるを得ないと判断された。さらに、根立は、和様彫刻の模倣の問題に関わる定朝様式の成立及び継承に関わる問題を『哲学研究』583号に、またこの様式の大成者定朝に関わる論文を『鳳翔学叢』4号に発表した。また、研究分担者皿井は、10世紀初頭の醍醐寺における造仏と古典学習の問題を論じた論文を『美術研究』392,393号の二号にわたって論じた。このほか、研究分担者宮崎は、酒井抱一関係の資料収集を精力的に行い、その成果の一部を7月23日に開催された研究会で、「酒井抱一の仏画-江戸後期の仏画の一側面として発表した。
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