研究課題/領域番号 |
19320026
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
根立 研介 京都大学, 文学研究科, 教授 (10303794)
|
研究分担者 |
中村 俊春 京都大学, 文学研究科, 教授 (60198223)
平川 佳世 京都大学, 文学研究科, 准教授 (10340762)
|
キーワード | 模倣 / 模写 / 模刻 / 模古 / 型 / 古典学習 / 規範 / 善光寺式阿弥陀三尊 |
研究概要 |
平成21年度は、研究代表者の根立は、9月に中国山西省を訪れ、日本の古代・中世彫刻の規範である中国の南北朝・唐・宋・遼代彫刻の調査を実施し、資料収集を行った。また、国内では、霊験仏として名高く、模刻も盛んに行われた奈良・長谷寺十一面観音像の室町時代の模刻像等の調査(於鎌倉・長谷寺)を実施した。なお、根立は、平安末期から鎌倉初期に活躍した代表的仏師で、古典研究も盛んに行っていた運慶についての評伝を執筆し、これを一書に纏めて刊行した。分担者の中村は、昨年度に引き続き、西洋バロック美術の模倣と創造の問題に関して資料収集を行った。また、21年度から分担者となった平川は、8月下旬から9月上旬にかけ、ウフィツィ美術館(フィレンツェ)、美術史中央研究所(ミュンヘン)、マインフランケン博物館(ヴュルツブツク)、シュテーデル美術館(フランクフルト)他を訪れ、ルネサンス以降イタリアの宮殿装飾として定着した古代ローマの表象において北方ヨーロッパにおける伝播を確認する調査を実施した。連携研究者の中では、武笠朗の研究に大きな進展があり、霊験仏として名高く、鎌倉時代以降盛んに模刻が行われた善光寺式阿弥陀三尊像の資料収集を行い、その研究成果の一部を「善光寺信仰とその造像をめぐって」と題して『佛教藝術』307号に発表した。なお、3年目に入った本研究の成果を検討する研究会を、10月4日と2月13日に実施し、活発な意見交換を行った。
|