研究課題/領域番号 |
19320027
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤田 治彦 大阪大学, コミュニケーションデザイン・センター, 教授 (00173435)
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研究分担者 |
内田 次信 大阪大学, 文学研究科, 教授 (80351435)
三木 順子 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (00283705)
伊逹 立晶 同志社大学, 文学部, 准教授 (30411052)
池上 英洋 恵泉女学園大学, 人文学部, 准教授 (00409806)
高安 啓介 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (70346659)
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キーワード | デザイン / 意匠 / 設計 / 構想 / 創造 / ディセーニョ / ゲシュタルトゥング |
研究概要 |
本研究の総括の年である平成21年には、10月にギリシア国立アジア美術館(コルフ)で国際研究会を開催した。これは、ボローニャ大学、大阪大学、台北国立藝術大学、セインズベリー日本藝術研究所に続く第5回目、そして最後の国際研究会である。研究分担者と各国の研究協力者が、各文化圏のデザイン概念とその変遷に関する発表を行った。 今回は、スウェーデン、ブラジル、タイなどがらの有意義な研究報告があっただけでなく、参加できなかった、エストニアやスロウニアなとからも、研究会終了後に、独自の内容を多く含む価値ある報告が寄せられた。世界各地における国際研究会の連続開催と、英文による研究年報の刊行・送付という、本研究独自の手法が効果をあけたものと思われる。 上記の国際研究会で発表された関運研究は、最終年度の研究年報WORDS FOR DESIGN IIIに掲載される。「Forming a Swedish discourse of design」、「Words for Design : the Estonian Case」、「Meanings of Gestaltung in Modern Typography」、「The Slovenian Term for Design」、Brazilian Portuguese Words for Design」、「Reading the Word ‘Design' in Thailand from the Everyday」、「Examining the degign concept through pre-modern Japanese Art」など10篇」である。 3年間の研究を通じて、中東を含むアジアやラテン・アメリカにまでわたる世界各国のデザイン概念を比較検討することができ、英語の「design」の傘に入りきれない、各種の創造概念の概要が見えてきた。また、世界各地の、「design」概念導入以前の伝統的な固有の制作言語のなかから、近代的制作言語「design」が一歩前に出て、世界共通語になる過程も大方検証することができた。世界的な創造概念のひとつである「design」の有効性とその歴史を再確認する一方で、本研究の成果は、その画一性の見直しにもつなげることができるであろう。
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