研究課題/領域番号 |
19320029
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
佐野 みどり 学習院大学, 文学部, 教授 (60178811)
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研究分担者 |
新川 哲雄 学習院大学, 文学部, 教授 (90080374)
阿部 泰郎 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (60193009)
原口 志津子 富山県立大学, 工学部, 准教授 (40208666)
米倉 迪夫 上智大学, 国際教養学部, 教授 (70099927)
藤原 重雄 東京大学, 史料編纂所, 助教 (40313192)
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キーワード | 寺社縁起 / 掛幅 / 仏教説話画 / 宗教儀礼 / 勧進 / 絵解き / 景観 / 地誌 |
研究概要 |
平成19年度は、八回の研究会(延13名の研究報告)、四回の調査を行い、また学習院大学人文学研究所とパリ第七大学、INALCO共催の日仏国際シンポジウムLes croyances et les arts dans le Japon medieval(中世日本の信仰と芸術文化)で阿部泰郎と佐野みどりがそれぞれ「宗教図像テクスト複合としての聖徳太子絵伝」「中世掛幅縁起絵のマトリックス」研究報告を行った。また、学習院大学人文科学研究所共同プロジェクト「中世掛幅縁起絵の総合研究」と共同で「聖徳太子絵伝(飯田市美術博物館)」、「誓願寺縁起絵」、「観興寺縁起絵」「石清水八幡宮曼茶羅(大倉集古館)」 「清園寺縁起絵」のトレース図制作を行った。研究スタッフやゲストを招いての、これら研究会や調査での活発な意見交換は、作品の熟覧調査による図様細部の確認を経ての個別作品研究と文学および思想史での宗教文化研究をすり合わせ、縁起絵に表象された宗教的世界観の個別的な解析、絵画、彫刻や寺社建築、芸能および宗教儀礼など視覚表象と文学テクストが形成する複合的な中世信仰の様態への考察を深めることとなった。なお、本年度の研究対象となった作例・事象は、「釈迦八相涅槃図(開善寺)」「聖徳太子絵伝(飯田市美術博物館)」「同(旧満性寺本)」「箱根権現縁起絵巻」「親鸞聖人絵伝」「法然上人絵伝」「善光寺如来絵伝」「法華経曼茶羅(本法寺)」「源誓上人絵伝」「桑実寺縁起絵巻」「清園寺縁起絵」「道智上人夢想記(金光寺『仏説目連救母経』紙背)」「春日権現験記絵」「志賀海神社の祭祀」「北野社の託宣」『聖法輪蔵』『善光寺如来伝私考』などである。これら研究の果実は、次年度、次々年度の作品研究の進展とあわせ、平成21年度末に研究報告としてまとめる予定である。
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