研究課題/領域番号 |
19320030
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
遠山 公一 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (90227562)
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研究分担者 |
出 佳奈子 弘前大学, 教育学部, 講師 (60469426)
金山 弘昌 慶應義塾大学, 文学部, 准教授 (60327278)
金原 由紀子 尚美学園大学, 総合政策学部, 准教授 (20445141)
望月 典子 慶應義塾大学, 文学部, 講師 (40449020)
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キーワード | 西洋美術史 / アート・コレクション / パトロネージ / 博物館学 / 芸術学 / 財産目録 / 蒐集 |
研究概要 |
2008年度には、研究代表者、分担者4名、協力者10名による美術コレクションに関する財産目録の調査および具体的な蒐集作品との照合、各時代におけるコレクションの意義、社会的政治的意味についての検討が行なわれた。それらのコレクションの包含する時代は古代から19世紀、地域はイタリア、フランス、ブルゴーニュ公国、スペインに及び、検討対象も古代遺品、聖遺物、カメオとメディチ磁器などの工芸品、絵画、彫刻と多岐にわたる。 3名の研究者の海外現地調査、4回の会合、および英国ウォーリック大学ジュリアン・ガードナー、クリスタ・ガードナー・フォン・トイフェル夫妻を招聘してのゼミ指導(11月6-9日)を経て、1月23目慶応義塾大学三田キャンパスにおけるシンポジウムを開催して研究中間発表を開催した。シンポジウムでは、内外の研究者30名ほどを集め、当科研の代表者、分担者・協力者13名の発表が行われ、活発な質疑応答があった。それによって各対象コレクションに関する調査の推移を明らかにし、関心の輪郭付けを目指し、今後にコレクション研究全体からの整合性を図るための基盤を整備した。 そこではコレクションを限定的な視点から議論するにとどまらず、古代との関わり、コムーネにおける聖遺物をめぐる宗教的・政治的意図、彫刻作品の保存と展示、過去の作家の再評価とコレクションとの関わりなど、広範囲に及ぶコレクションの意義と意図および効果に関する総合的な研究という当研究の全体像をほぼ明らかとすることができた。
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